サッカー界の“異端児”TOKYO CITY FC 都2部でも「売上1億円」を見込むワケとは?
チケット収入には頼らず…渋谷の企業のSNS運用を代行 「知見とかスキルを使って…」
昨年、クラブを法人化し売上1800万円。今期は4~5000万円で、来期は1億円を見込んでいる。この売上の半分以上が“コンテンツ”で、イベントの参加費や協賛金だという。さらに、今期売上が倍以上となったのは、渋谷の企業のSNSアカウントや、YouTubeチャンネルの運用を代行するという、サッカークラブの経営からはあまり考えられない工夫も行っているからだ。
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「クラブに関わる人間には、マーケティング業界やクリエイター出身がいたり、コンサル業界出身の人間がいたりする。そういったメンバーの知見とかスキルを使って、渋谷の企業のマーケティング面を解決している。うちのクラブのSNSを見て、『ぜひやって欲しい』という相談をしてもらうようになった」
通常のJリーグクラブは、スポンサー収入やチケット収入が主要な収益となる。だが、TOKYO CITYはもともと試合日のチケット収入の“アテ”がなかったため、スタッフ個々の背景を加味して経営に工夫をこらすようになった。そのため、コロナ禍でも順調な売上を誇ることとなった。
基盤を作り上げたことで、選手のプロ契約も行えるようになった。第一号は昨季加入した阿部。2010年に名古屋でドラガン・ストイコビッチ監督の下、J1制覇を主力として経験した。現在37歳となったDFは、新たなチャレンジの場を求めて移籍を決めた。TOKYO CITY加入後はセカンドキャリアも見据えてYouTubeチャンネルを開設したり、SNSを利用して得意のキックを理論化している。
練習は週3回、平日はフットサルコートという決して恵まれた環境ではないが、選手自身も試行錯誤しながら、1部昇格に“王手”をかけている。将来的には激しい競争が予想される代々木公園のスタジアム構想「スクランブル・スタジアム」にも手を上げる予定。「ふさわしいクラブになっていたい」と山内社長は力強く話す。
未来を描き、前進するTOKYO CITY。SHIBUYA CITYとなっても、そのビジョンは揺るがず、さらなる発展を続けることだろう。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)