サッカー界の“異端児”TOKYO CITY FC 都2部でも「売上1億円」を見込むワケとは?
都2部TOKYO CITY FCは来季から改名 “異業種”とコラボする事業に力
東京都リーグ1部昇格に向けて戦っている同2部TOKYO CITY F.C.。2014年に創設された同クラブは、来季から「SHIBUYA CITY FC」に改名する。ホームタウンの渋谷からJリーグ入りを目指し、事業やクラブ経営を工夫。昨季には、2010年に名古屋グランパスでJ1優勝を経験したMF阿部翔平が加入し、チーム力も向上している。現在、1部昇格決定戦に臨み注目を集めるクラブについて、山内一樹社長が語った。
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6日に行われた1部昇格決定戦第1戦はT.U.A. SCと0-0で引き分け、TOKYO CITYの運命は13日に行われる第2戦に託された。この名前で戦うのもこの一戦がラストとなる。来季から拠点とする渋谷の名前を入れた「SHIBUYA CITY」に変更する理由を、山内社長が明かした。
「大きな決断だった。もともとTOKYO CITYと名付けたのは私で、その名前を変える寂しさはあったけど、今回SHIBUYA CITYに変えるのは、ホームタウンの渋谷の方々から、『渋谷でやるなら東京じゃなくて渋谷を名乗ってよ』『渋谷のシンボルになるならSHIBUYA CITYでしょ』という声が増えてきた。町の声が決めた一番の理由。名前を変えることで、渋谷に夢が広がっていくという波及効果も求めて変える決断をした」
そもそも、山内社長が「TOKYO CITY」と名付けたのはほんの“冗談”から始まったという。米MLS(メジャーリーグサッカー)のニューヨーク・シティFCが誕生する際に、クラブ立ち上げを画策していた山内社長は、「(プレミアリーグの)マンチェスター、ニューヨークに次ぐ第三のシティを作ろう」と、将来的に世界に誇るクラブを目指して命名したという。そのなかでまず目指すのはJリーグ入り。現在は実質“J8”のカテゴリーに分類されるが、「Football for good」というビジョンを掲げて、渋谷とともに様々なイベントを開催している。
「クラブ全体としては、Jリーグに入ることがゴールではない。サッカーを通じて渋谷を世界で一番ワクワクする街にする。サッカーの試合を観に来てもらうだけじゃなくて、アパレル店とコラボしたり、渋谷の街全体をスタジアムに見立てて、365日サッカーに関わるイベントに触れ合える状態を作っていくのがクラブの最終的なビジョン。渋谷はいろんなカルチャーがある街。街のカルチャーとサッカーを掛け合わせたイベントをやる。例えば、去年やったイベントで、円山町とか神泉のあたりはクラブカルチャーが盛ん。クラブを貸し切って、音楽と光の演出の中、サッカーをするイベントを行った」
「クラブ×サッカー」という異業種の掛け合わせのイベントを、ナイキ・ジャパンとコラボして実施。DJが音楽をかけて、プロジェクションマッピングを使用するなど一見サッカーとかけ離れた文化を取り入れて、3対3のミニゲームを行った。このようにホームタウンに基づいたイベントを昨年は96回、今年は新型コロナウイルスの影響も受けオンラインで開催したものもあったが、年間150回ほど実施の見通しになっているという。選手も半分ほど、積極的に参加する。