浦和がACL王者に大金星 中国の”爆買いキング”広州恒大を1-0撃破、GS2位浮上!

手倉森Jの最終兵器、関根が絶妙アシスト

 後半開始2分、広州の外国人部隊が浦和ゴールに迫った。右サイドバックの中国代表DFジャン・リンポンが切り込むと、MFグラルがヒールキックでつなぎ、一気に攻撃参加したブラジル代表MFパウリーニョが右足トーキックでゴールを狙った。GK西川周作の意表をついたシュートは右のゴールポストを直撃。浦和は事なきを得た。

 先にスコアを動かしたのは浦和だった。同7分、中盤の左サイド寄りで相手のボールをカットしたMF阿部勇樹から、矢のようなサイドチェンジが右サイドのU-23日本代表MF関根貴大へ。前半からドリブル突破で再三チャンスを生み出していた手倉森ジャパンの最終兵器と期待される新鋭は縦に相手を振り切ると右足でクロス。ファーサイドのMF宇賀神友弥が右足ダイレクトでシュート性のボールをゴール前に折り返すと、MF武藤が頭で押し込んだ。

 その後は広州がゴールを目指して攻撃に人数をかけ始めたこともあり、オープンな展開になり始めた。同11分にはFWマルティネスからのボールでMFパウリーニョがゴール前に飛び込んだが、GK西川がシュートコースを消して守り切った。

 そして浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督は強硬策に出る。FW李忠成とFW興梠慎三を交代で投入し、追加点を奪ってゲームの決着をつけようとした。

 広州が2トップに変更してさらに圧力を掛けると、浦和はなかなかボールを保持させてもらえずに耐える時間になった。同32分にMFパウリーニョの強烈な無回転ミドルがゴールを襲ったが、GK西川が膝でボールをブロック。逆に浦和も途中出場のFW興梠が同35分に左サイドのMF宇賀神からのクロスに飛び込み、続く同36分にはGKと1対1になる決定機を立て続けに迎えたが、ゴールを奪い切ることはできなかった。

 そして、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。平日のナイトゲームに関わらず、ゴール裏を埋め尽くし3万282人が来場したホームの大声援を背に戦った浦和は、1-0で貴重な勝ち点3を手にした。他会場ではシドニーFC(オーストラリア)が浦項スティーラーズ(韓国)に1-0で勝利し、勝ち点9でグループ首位に。一方、勝ち点を7に伸ばした浦和は2位に浮上。”爆買い”で急成長したアジア王者を撃破し、2位以内が決勝トーナメントへ進むグループステージ突破に向けて大きな1勝を挙げた。 マン・オブ・ザ・マッチには、決勝弾の武藤が選ばれた。

グループH順位表(4月5日終了時点)

1位:シドニーFC 勝ち点9

2位:浦和 勝ち点7

3位:浦項 勝ち点4

4位:広州 勝ち点2

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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