覚醒した“止められない”ドリブラー 強烈ミドルも備える「新潟の10番」【J2からの推薦状】
MF本間至恩(アルビレックス新潟):生半可なタックルでは止まらない、J2屈指のドリブラー
ヴィッセル神戸のFW古橋亨梧(元FC岐阜)のように、J2での活躍を経て、J1を代表する選手に成長していく例は近年、増加傾向にある。本企画では「J2からの推薦状」と題し、次の“スター候補生”たちを紹介していく。
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類まれなドリブルセンスを武器に、次々とDFを手玉に取っていく――。アルビレックス新潟の“10番”を背負うMF本間至恩は今季、止められない選手に成長した。得意技のシザースでボールを懐の深い位置に置き、そこからのスピードアップ。ファウル覚悟のタックルでなければ抑え込めないほどの鋭さを誇る。
ジュニアユース時代から新潟一筋の本間がJリーグの舞台に足を踏み入れたのは、高校2年生ながら2種登録された2017年のこと。同年のルヴァンカップでクラブ最年少での公式戦出場を果たし、翌18年にはリーグ戦初出場となったツエーゲン金沢戦で決勝点を記録。正式にプロ入りした19年には、28試合3得点という成績で能力の高さを改めて証明した。
そして今季、エースナンバーの「10」を背負い、覚醒の時を迎えている。左サイドからドリブルで仕掛けていく得意の形だけではなく、中央でボールを引き出してラストパスを配球するなどプレーが多様化。対峙するDFは本間のストロングポイント=ドリブル以外にも警戒を強いられるようになり、対処に苦慮するようになっていった。
また、164cm/59kgと小柄ながら、対人バトルでも負けない鍛え抜かれた体幹とボディーバランスの良さ、強烈なシュート力も兼ね備える。特に2・6・7月度のJ2月間ベストゴールに選出された第7節水戸ホーリーホック戦(1-0)での一撃では、体のバネを利用してボールに強いインパクトを与え、強烈なスーパーミドルを繰り出した。このゴールに限らず、本間のゴールシーンを見れば、抜群のシュートセンスを持っていることが分かる。
本間は第39節終了時点で7ゴール6アシストを記録し、新潟の中心選手として欠かせない存在となっている。弱冠20歳ながらすでにJ2では“止められない”レベルにまで成長しており、今オフはJ1クラブが獲得に動くことも予想される。J2屈指のドリブラーがどこまでのし上がっていくのか、今後の動向に注目だ。