俺が今、カタールにいる理由 小林祐希、未知なる中東での挑戦に見据える次の青写真
「自分のプレーに集中して、来年どうやって次のステップに行くかを考えている」
小林は現地時間10月13日に行われたカタール・スターズリーグカップ(QSLカップ)のカタールSC戦(2-0)で、いきなり移籍後初ゴールを決める新天地デビュー。ここまで主に4-2-3-1のボランチとしてリーグ戦4試合に出場、QSLカップでは4試合2ゴールを記録している。移籍成立に2週間かかり、カタール入り後も新型コロナウイルス対策の隔離措置で1週間の自宅待機はあったが、「コンディションは良い感じ」と語る一方で、中東特有のアジャストも必要だという。
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「すごく暑いから、試合途中に間延びして広大なスペースができます。横・縦50メートルくらいをボランチ2人で全部埋めるのはさすがに無理なので、どこを優先してエネルギーの消費を抑えるか。うちのチームは長い時間ボールを保持できないので大変ですけど、面白いですよ。比較的自由にやらせてもらっていて、自分で前にも運べるから俺の良さは出しやすい。ただ、1試合に5回くらいあるビッグチャンスで前線の選手が決めないので、勝てないんですよね。とはいえ、それは言っても仕方ない。自分で変えられない部分には手を付けないし、不満を言わない。自分のプレーに集中して、来年どうやって次のステップに行くかを考えています」
小林にとっての次のステップ――。理想はヨーロッパに戻ってプレーすることだが、同じカタールの強豪アル・サッドにも魅力を感じていると明かす。
「ヨーロッパに戻ってやりたいという思いは常に持っています。可能性があるなら、もう一度チャレンジしたい。ただ、あまり下位のチームになると、守備だけをやる感じになってしまって自分の良さを出せないので、どんなサッカーをやるかは見て選びたいです。今一番いいなと思っているのはアル・サッド。(元スペイン代表MF)シャビが監督で、(元スペイン代表MFサンティ・)カソルラもいる。シャビの近くでサッカーを学べるなら最高ですよね」
コロナ禍により、サッカー界のみならず、世界中の情勢が変わりゆくなかで、小林は一つの信念を強めているという。
「みんな、『自分を守ってくれる人なんていない』と気づき始めていると思います。例えば、コロナで職を失って、『国は守ってくれない』と嘆いている人もいるかもしれないけど、自分のことは自分で守らないといけないし、自分を変えられるのも、成長させられるのも自分しかいない。それをできる人、できない人が、今後顕著に分かれていく気がします」