日本代表に新たな武器 岡崎が語るカウンター攻撃の重要性

 

これまでの日本に欠けていたオプション「今は速攻をモノにするチャンス」

 

 日本代表FW岡崎慎司が2-2ドローに終わった9日のベネズエラ戦で、これまでの代表チームが苦手としていたカウンター攻撃に手応えをつかんだ。

「日本の今の武器のなさの1つはカウンターというか、速攻だと思う。今まで親善試合では(DFラインが)高い位置を取ることが多くて、なかなかやる機会がなかったと思う。でも、今は意識的に自分たちが引くことも多いので、どうしても点がほしい時に速攻になるチャンスがあると思う。今はそこのクオリティを上げるチャンスなのかなと思う」

 岡崎は後半開始から1トップの大迫勇也と交代で途中出場。ポゼッションを重視したアルベルト・ザッケローニ前監督の時代から180度方向転換し、アギーレジャパンの攻撃のアプローチはカウンター重視の一面も備える。後半21分の日本の2点目はまさにそのカウンターから岡崎が左サイドを破り、完璧なクロスでMF柴崎岳のゴールをアシストした。

「本当に勝ちたい時に急にやっても速攻ってなかなかうまくいかないと思う。特に今の監督は真剣勝負にこだわる感じがある。プレッシャーも監督から与えられて、ガンガン与えられた方がいいと思うんですよ。そうやってみんなに厳しく見られて、勝たなくちゃいけない状況を作る。その中で速攻を成功させる。そういう意味ではあの点はよかったと思う。今日は速攻が一番チャンスになった。今まで自分たちがやってきたことも出さなきゃいけないけど、今は速攻をモノにするすごいチャンスかなと思います」

 ブラジルワールドカップまでは自陣の最終ラインを常に高く保つコンセプトだったために、親善試合などではポゼッション率が高まる一方、速攻を狙えるチャンスは多くなかった。その当時と比べ、テストマッチから勝負に強いこだわりを見せる指揮官の新しいサッカーでは、カウンターが大きな得点チャンスとなる。

 ベネズエラ戦で生まれた得点シーン。パスの本数を省いたカウンターこそが、現在磨くべき新たな武器だと岡崎は感じている。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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