【ACL帯同記】横浜FM、カタール遠征の裏側 再開初戦の“劇的勝利”を支えたスタッフの奮闘と誇り

試合が行われた近代的なアル・ジャヌーブ・スタジアム【写真提供:横浜F・マリノス】
試合が行われた近代的なアル・ジャヌーブ・スタジアム【写真提供:横浜F・マリノス】

F・マリノスサポーターの化身としてベンチから試合を見守る

 前の試合が終了し、我々の出番です。ウォーミングアップ前には、空港のイミグレーションに近い形で、選手の顔やAD、ユニフォームの背番号に間違いがないかのエキップメントチェックがあります。事前確認の際には「ユニフォームのシャツのみでOK」と言われていたのに、いざチェックが始まると「ユニフォームのパンツとソックスも持ってきて」とのこと。急いでロッカーに戻ってパンツとソックスを持ってきた選手たちですが、「これがACLだね」と口にする姿からは頼もしさも感じられました。チームマネージャーとしては二重チェックを怠っていた、という点で反省。この経験を次戦以降に生かしていきます! でも確かに、「シャツのみでOK!」って自信満々に言われたんだけどなあ(苦笑)。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

 選手のウォーミングアップが始まると、あとは用具のサポートをしたり、チームスタッフとコミュニケーションを取ったり、ウォーミングアップのタイムコントロールをしたりと、Jリーグと変わらないルーティンを淡々と遂行しました。

無観客で行われた試合は1-0で勝利【写真提供:横浜F・マリノス】
無観客で行われた試合は1-0で勝利【写真提供:横浜F・マリノス】

 いよいよ選手入場です。通常はスタッフとサブの選手で、スタメンの11名を送り出しますが、今回はレギュレーション上、スタッフとサブの選手は先にベンチに向かい、スタメン11名はあとからロッカーアウトする流れでした。テレビ中継の関係でタイムコントロールは非常に重要です。時間通りにロッカーアウトできるかどうか心配な面もありましたが、そこは全く問題ありませんでした。また、ACLではチームマネージャーがベンチ入りスタッフに入ることが義務付けられているので、私自身も邪魔にならないようにベンチの端っこに座りました。平然を装っていましたが、実は内心は感動しっぱなし。名もない普通の会社員が、日本を代表してACLを戦うチームのベンチに座っているのですから。見栄えがいいようにいろいろな態勢で座ってみたり、「この椅子でリモートワークしたいな」とか考えたりしていました。

 2020年11月25日、現地時間16:00(日本時間22:00)、9カ月ぶりに横浜FMのACLがキックオフしました。渡航前の浦和レッズ戦や川崎フロンターレ戦でファン・サポーターの皆様から「カタールに行けない分、矢野さんに思いを託します!」と熱い気持ちを頂戴し、チームマネージャーという立場ではありますが、すべてのF・マリノスサポーターの化身となった気持ちで試合を見つめました。オビ(・パウエル・オビンナ)選手のPKストップや試合終了直前の天野純選手のゴールにより、1-0で劇的勝利。これ以上ない形でACL再開初戦を終えることができました。

 試合終了後は選手たちをベンチ前で迎え、1人ずつとハイタッチ。アドレナリンが出まくりの選手たちとのハイタッチは力強く、その一つひとつの感触を心に刻みました。ちなみに、チアゴ(・マルチンス)選手とハイタッチした時には、肩が抜けたかと思いましたよ。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング