終盤戦のミランに待ち受ける災厄 名物会長ごり押しのトップ下強行導入は「悲惨な結果を招く」

機能できる真の“フオリクラッセ”とは

 しかし、特集では「現代のサッカーでトップ下を置こうとしたら、その選手は真の“フオリクラッセ”でなければ無理だ。バスケスはそのレベルにない」と指摘。フオリクラッセとは別格の名手を意味する。ミランで言えば、黄金時代を支えたかつてのブラジル代表MFカカーのような圧倒的な個人能力を持ったタレントでなければ、トップ下システムは機能し、成果を出すことは難しいとしている。

 来季司令塔候補とされるバスケスですら、力不足。フオリクラッセと呼ばれる域に達していない、本田とイタリア代表MFジャコモ・ボナベントゥーラをトップ下で起用して失敗した今季序盤と同じ暗黒の歴史を繰り返すと警告している。

 現在、中盤の4人がフラットに並び、両サイドの本田とボナベントゥーラが機を見て中央に進出する4-4-2システムでそれなり結果を出し、まずまずの成果を出しているミラン。トップ下に強烈な執念を見せる会長の強権発動は、来季終盤に再びカオスを巻き起こしてしまうのだろうか。3年連続の欧州のカップ戦出場権喪失という悪夢のシナリオになりそうだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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