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【加藤未央のダノンネーションズカップ取材記~1日目】夢を追う子どもたちの輝きに魅せられて
初出場の清々しさと、季節外れの日焼け
今年のダノンネーションズカップは、例年に比べると初出場のチームが多いという。参加している48チーム中15チームが初参加だ。奈良県からやって来たセントラルFC奈良は、その15チームの中のひとつ。10番の高橋颯大くんは試合中、少し緊張して固くなっている様子の仲間に向かって、「もっとしっかり蹴って!」「今のナイス!」と、声をかけ続けていた。
一人率先して声をかけ続けるのは、簡単なことじゃない。その意図を知りたくて試合後に聞いてみると、「どうしても勝ちたいから」と火照った様子で、少し強ばった顔をしながら答えてくれた。
「この大会はJの下部もたくさん来るから、そういうところとやりたい。世界大会にも行きたい。でも実際に試合をしてみると、周りのレベルが高かった。もっと最高のパフォーマンスができるようにならないと」と、試合直後にもかかわらず冷静に自分たちの実力を分析しながら話す高橋くん。公園でボールを蹴っているうちに、芝で蹴りたいと思ってサッカーを始めたという。公園の土の上よりも芝の上の方がずっと蹴りやすいことにビックリしたそうだ。夢はもちろん、サッカー選手。そのためにもっともっとうまくなりたいという思いが、高橋くんを強くする。
1日目の試合が終わる頃には、日が陰ってきていた。朝からずっと外にいたため、日に焼けたのだろう、なんだか耳がかゆいし、おでこを触るとちょっと痛い。季節外れの日焼けもまた、このダノンネーションズカップではお馴染みとなっている。スタッフの赤く焼けた顔に「お疲れさまでした」と伝え、この日の取材を終えた。
【了】
加藤未央●文 text by Mio Kato