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【加藤未央のダノンネーションズカップ取材記~1日目】夢を追う子どもたちの輝きに魅せられて
子どもたちの夢を応援する監督の”親心”
昨年度優勝チームの川崎フロンターレU-12と初戦を戦ったのは、ブレイズ熊本ジュニア。今大会に参加しているチームの中で、最も南から来たチームだ。
「熊本から大阪まではフェリーに乗って、そこから自分で運転して来ました」と話すのは、ブレイズ熊本ジュニアの野元恒兵監督。子どもたちを乗せたバスを、なんと自らここまで運転して来たのだという。長時間もバスの中にいると子どもたちの体が固まってしまうから、途中のサービスエリアで休憩を兼ねて視野を広く持つトレーニングをやったりしながら来たそうだ。
なぜバス移動なのかと尋ねると、「親御さんたちへの負担はできるだけ少ない方がいいからね」と監督。せっかく熊本からやって来たということで、昨日は埼玉県内で行われているサッカー日本代表の練習も特別に見学をしてきた。これは野元監督から教え子たちへの”サプライズプレゼント”だった。子どもたちにいろんな経験をさせてやりたい、そんな親心が垣間見える。
往復の移動で自らハンドルを握ったり、滞在期間中に関東の強豪チームと練習試合を組んだり、サプライズプレゼントを用意したりしながらも、野元監督はそれらを大したことのように全然話さない。そんなことよりも、「こいつ、160センチあって」とか「こっちは双子なんですけど、似てないでしょ?」など、子どもたちに混ざって突っ込まれながら満面の笑みで冗談を言ってくる。ダノンネーションズカップの勝ち負けじゃない大会の意義は、こういうところにも表れている。
ヴィルトゥスサッカークラブとの試合を4-0で制したのは、長岡京サッカースポーツ少年団。なかでも目を引いたのは、17番の高橋隆大くんだった。高橋くんが決めた2得点は両方ともドリブルからのゴールで、見ている私まで清々しい気分にさせてくれた。
得意なプレーを聞くと、「ドリブルです!」とはっきりと答える高橋くん。練習にはお父さんが必ずついて来てくれ、練習が終わるとその日の自分の良かったところと悪かったところをまず自分で言って、それに対してお父さんが見ていて感じた良かったところと悪かったところをアドバイスしてくれるのだという。世界一のサッカープレイヤーになるという高橋くんの夢は、お父さんとの二人三脚だ。