GK退場、幻の交代、DFのセーブ… MLSの衝撃珍事に海外騒然「史上最もカオスなPK?」
MLSのプレーオフ1回戦、オーランド・シティ対ニューヨーク・シティFCのPK戦が話題
アメリカ1部メジャーリーグサッカー(MLS)のプレーオフ、オーランド・シティ対ニューヨーク・シティFCの一戦で稀に見る“カオス”なPK戦が展開された。
MLSの年間王者を決めるプレーオフの1回戦。オーランド・シティとニューヨーク・シティFCは前半に1点を奪い合ったあとは互いに譲らず、オーランド・シティに1人退場者が出るも、1-1のまま延長戦も含めた120分間が終了。試合の決着はPK戦へともつれ込んだ。
先攻のニューヨーク・シティは1人目のマキシミリアーノ・モラレスがいきなり失敗。一方のオーランド・シティは4人目まで全員が成功させ、オーランド・シティが4-3とリードして5人目を迎えた。
そしてニューヨーク・シティの5人目、アルゼンチン人FWバレンティン・カステジャーノスのキックをGKペドロ・ガジェセが見事な反応でセーブ。この瞬間、オーランド・シティの勝利が決まり、選手や監督も歓喜に湧いた。
しかし、喜びも束の間。キックの前にGKがラインから前に飛び出したとして、PKはやり直しに。それだけではなく、ガジェセはこのプレーでこの試合2枚目のイエローカードを提示され、PK戦途中で退場処分となってしまったのだ。
ここでオーランドは控えGKのブライアン・ロウを投入するが、主審はしばらくVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)とのやりとりを続けたあと、ゴールマウスに立ったロウにベンチに下がるように指示。PK戦途中でのGK交代は不可能なため、ロウの起用は認められなかったのだ。
オーランド・シティはGKの代役の代役としてやむなくDFロドリーゴ・シュレーゲルをゴールマウスに立たせたが、カステジャーノスのやり直しのキックを防ぐことはできず。それでもオーランド・シティは5人目が決めれば勝利という状況だったが、ポルトガル代表MFナニのキックがセーブされ、サドンデスに突入した。
しかし、最後に勝利の女神が微笑んだのはオーランド・シティだった。PKスコア5-5で迎えた7人目、ニューヨーク・シティのMFグドムンドゥル・トラリンソンのシュートを急造GKのシュレーゲルが見事にセーブ。その後、FWベンジ・ミシェルがキックを成功させ、オーランド・シティがPKスコア6-5で勝利し、次ラウンド進出を決めた。
このPK戦について英衛星放送局「スカイ・スポーツ」も「史上最もカオスなペナルティー? レッドカード、認められなかった交代、VAR、そしてDFがゴールを守ったオーランド・シティがNYCFCを破った」と報じた。度重なる珍事が起きただけに、海外メディアからも注目を浴びているようだ。