「8戦無失点」に潜む罠 シリア戦大勝の陰で日本代表CBコンビが肝に銘じた終盤の緩さ
数字上では守備での安定感を発揮したが…
24日のアフガニスタン戦に続き、シリア戦も前半から圧倒的に押し込む展開となったこともあり、チーム全体が前がかりになった。相手陣内でボールを奪われても即座に奪い返していた時間帯は良かったものの、終盤に相手が入れてきたシンプルなカウンターに後手を踏み、自陣でのパス回しが乱れるシーンも散見されたのは確かだ。森重も「相手が後半に点を取りに来てたんで、前線の枚数も残っていました。その辺でもっとうまくバランスが取れれば……」と、相手の意図を見抜いた試合運びの必要性を痛感した。
アジア2次予選を無失点で終えたのは、日本と韓国のみ(韓国はクウェート戦が没収試合となり7試合)。数字上では守備での安定感を発揮したものの、吉田は9月からの最終予選、そしてそれ以降の戦いに向けて、こう語った。
「強い相手とやるなかでは、その部分を向上させないといけないと思います。予選を通しては良かったと思いますけど、今日に関しては満足できないので、みんなで話し合いたいです。あと2年でワールドカップも来ますし、選手同士の競争も激しくなるので、もっともっと積み重ねていかなければいけない」
最終予選ではイランやオーストラリア、韓国などゴール前の力強さと精度を誇るチームと戦う可能性がある。アジアの列強に対して水をも漏らさぬ守備組織を作る――。ふたりのディフェンスリーダーはすでに、次の戦いを見据えている。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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