日本代表が露呈したメキシコとの「修正力」の差 “悪夢”から変わらぬ課題…森保采配にも疑問符
「後半に相手が強度を上げてきた時…」 日本代表は後手に回り課題は変わらず
まさに先手を打ち、森保ジャパンが立ち上げ当初から掲げている「修正力」を交代カードによって体現したメキシコ。一方の日本は、後半12分にMF柴崎岳とFW鈴木武蔵を下げて、MF橋本拳人とMF南野拓実を投入した。2失点してからは2列目を総替えしたが、相手が引いてスペースがないなか、途中出場のFW浅野拓磨の持ち味であるスピードは発揮されなかった。後半から投入された相手の右SBロドリゲスと対峙した原口は、「僕のサイドに入ってきたSBの選手は落ち着きを持ってビルドアップにきて、プレッシャーもはがされてなかなか行けなかった」と苦戦した様子を明かしている。
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これまでも森保ジャパンは、昨年のアジアカップ決勝カタール戦(1-3)のように、相手に先手を取られた時に90分を通して戦い方を変えることができず、「修正力」が課題となっていた。森保監督はメキシコ戦の後半の対応について、次のように語っている。
「後半に相手が強度を上げてきた時、何度か攻撃のところでプレッシャーを受けてミスが出てしまったところで、そのプレッシャーを受けて上手くいかない回数が多くて流れを持っていかれたところがある。相手が強度を上げたなかでもかいくぐっていけるように、ボールの移動中に予測を持って、運動量を持って相手のプレッシャーを外していけるようにしないといけない。できることをより長い時間できるようにトライを続けなければいけないと思っている。世界の舞台で勝っていくためには良い守備から良い攻撃で、相手のプレッシャーが強くなったなかでより多くの回数をかいくぐって、チャンスを作ることにトライしたい。
交代は流れのなかで、攻撃のギアを上げていけるようにということでカードを切った。強度が高いなかでやっているので、より活性化して欲しいと思って入れた。選手たちが途中で足を止めることなく戦い続けてくれたと思う。負けたショックはあると思うが、そこからしっかり反発力を持って今後の成長につなげて欲しい」
相手の戦術変更に伴い、臨機応変に対応する采配に“疑問符”もつくなか、来年3月から再開するカタールW杯アジア予選で圧倒的な力を見せつけられるのか――。メキシコ戦前、主将のDF吉田麻也は「このチームのベースにあるところで、W杯のベルギー戦が一つの基準。あの試合でできなかったことを、4年間で追求するのが一つのテーマ」と話していた。2年前のロシアW杯、決勝トーナメント1回戦のベルギー戦(2-3)で2点リードしながらも、戦い方を変えてきた相手に対応できず逆転負けした悪夢はまだ払拭できていない。
メキシコ戦を日本代表の飛躍のきっかけとできるのか。勝負のW杯予選、そしてその先の“対世界”を見据えて、悪夢を繰り返さないためのレベルアップが、選手、そして指揮官ともに求められている。
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(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)