久保&鎌田が日本代表の新たな“スイッチ役”に? 金田喜稔が期待「もっと天才な部分を…」
「“さすが久保”というプレーは見せた」ものの、中島ほどの信頼は得られていない
そうしたなか、メキシコ戦に向けて金田氏が期待する1人がMF鎌田大地(フランクフルト)だ。
パナマ戦では後半27分から途中出場。2シャドーの一角に入ってボールの“出し手”になると、「ノーミスで、ボールを取られない。周囲の状況を瞬時に判断してスルーパスを出し、タイミングにズレがない。パスの精度、ボールキープ、左足、すべてのプレーが“スーパー”だった」と金田氏も唸るパフォーマンスを見せた。同32分に相手GKが退場となり、数的優位になった点を考慮する必要はあるものの、ドイツで飛躍を遂げる鎌田は中島とはひと味違う“トップ下タイプ”として、2列目のスイッチ役になる可能性は高い。
そしてもう1人、金田氏が中島の役割を担える人材として期待するのがMF久保建英(ビジャレアル)だ。先発したパナマ戦でも局面で光るプレーを見せており、南野のPK奪取につながるラストパスも供給した。だが1試合を通して見た時、中島のように「チームから信頼を得てボールが集まり、久保に入りそうになった時に周囲の動き出しが始まるようには、まだなっていない」という。
「瞬間瞬間に“さすが久保”というプレーは見せてくれた。だが、ビジャレアルで思うように試合に出場できていない影響か、頭と体の微妙なズレを感じてしまう。個人的にはやはり、左ではなく右サイドに置きたい選手。左足でボールを持ち、カットインもできればパスも出せて、縦にも行ける。アタッキングサードで、もっと天才な部分を発揮してほしい」
中島のように、サイドでのスイッチ役になり得ると指摘した金田氏。鎌田や久保が2列目で存在感を放ち、“攻撃の重心を上げる”ことができれば、ボランチやサイドバックとも連動してより厚みのある攻撃が展開できるはず。強豪メキシコを相手に、“オール欧州組”で構成された日本代表の真価が問われる。
[PROFILE]
金田喜稔(かねだ・のぶとし)
1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。