【月間表彰】「一か八かではない」 元日本代表GK楢﨑氏が称賛、ガンバ守護神の“神業”を10月の「J1ベストセーブ」に選出

守る側の難易度が上がるなか、すべての動作を正しく選んで実行

 猛然とゴールへ迫って来たファン・アラーノが圧倒的優位にあったなかで、守る側としての難易度は必然的に上がった。楢﨑氏によれば、こうしたピンチの局面で「GKが自分の思い描いたプレーに持っていくのは難しい」という。それでも「正しいポジションを取って、なおかつ、正確なタイミングで対応するという判断をしなくてはいけない時に、すべての動作を正しく選んで実行していた」東口のプレーを高く評価している。

「あのような場面では心理的な部分も重要なポイントで、最後まで慌てずに状況を見極めながら対応できたところは高く評価できます。ピンチになってゴールマウスへ戻る際にしても、ポジショニングを確保するといったGKに求められる対応を怠っていなかった。後ろにバックステップしながら目の前で起こっていることを確認するという動作は、一見簡単そうに見えますけど難しいですし、身体的な能力も実は必要なんですよね。そうしたあらゆる面に対し、的確に対応できていたシーンだったと思います」

 今シーズン、ここまでのJ1リーグ全試合でゴールマウスを守り続けている東口。楢﨑氏が「一か八かのプレーはせず、トレーニングしたことをしっかり出せるGK」と評価する守護神は、上位争いを繰り広げるG大阪において今後もビッグプレーで魅了してくれるはずだ。

[プロフィール]
楢﨑正剛/1976年4月15日生まれ、奈良県出身。1995年に奈良育英高校から横浜フリューゲルスに加入。ルーキーながら正GKの座を射止めると、翌年にJリーグベストイレブンに初選出された。98年シーズン限りでの横浜フリューゲルス消滅が決まった後、99年に名古屋グランパスエイトへ移籍。10年には、初のJ1リーグ優勝を経験し、GK初のMVPに輝いた。日本代表としても活躍し、国際大会では2000年のシドニー五輪(OA枠)、02年日韓W杯などに出場。昨年1月に現役引退を発表し、現在は名古屋の「クラブスペシャルフェロー」に加え、「アカデミーダイレクター補佐」および「アカデミーGKコーチ」を兼任する。

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