「日本にいなかったタイプ」と絶賛した選手は? 「パナマ戦出場17人」を金田喜稔が採点
「1人で変えた」遠藤と「すべてのプレーが“スーパー”」だった鎌田を絶賛
<途中出場>
■遠藤 航(シュツットガルト/MF/←ハーフタイムIN)=★★★★★
後半開始からピッチに立ち、文字通り1人でチーム全体を変えた素晴らしいパフォーマンス。今季のブンデスリーガでデュエル勝利数1位という数字を証明するような、圧倒的なものを見せてくれた。自らの視野に入っているマーカーにボールが出た時のアプローチの速さや1対1の強さはもちろん、チームとしてボールを奪った後の攻撃につながる適切なポジショニングとパスコースを瞬時に判断。攻守両面において、いろいろな気配りと目配りができている姿を見ると、今までの日本にはいなかったタイプのボランチとして突き抜けた印象だ。PK誘発につながる久保への縦パスをはじめ、攻撃の第一歩としてもパナマ戦のプレーには凄みを感じた。
■原口元気(ハノーファー/MF/←後半13分IN)=★★★
0-0という拮抗した状況で左ウイングバックに投入され、直後に日本がPKで1点をリード。そのなかで相変わらずの原口らしい献身性を見せ、守備時には自陣深い位置まで戻っていた。いつも裏切らないプレーという意味で彼は及第点。だから森保監督からも信頼されているのだろう。
■鎌田大地(フランクフルト/MF/←後半27分IN)=★★★★
出場時間が短いため5つ星は付けられないが、プレー内容としては満点。見ていた限りノーミスで、ボールを取られない。周囲の状況を瞬時に判断してスルーパスを出し、タイミングにズレがない。パスの精度、ボールキープ、左足、すべてのプレーが“スーパー”。代表デビューした頃は「ボールが来たら何かできる」という選手だったが、今はボールがないところでの献身的なディフェンスも含めて成長著しい。もちろん、サガン鳥栖時代から上手い選手だったが、強さや集中力を含めて今はレベルが違う。チームの規律をしっかりと表現したうえで、貪欲に自らのプレーをピッチ上で出す覚悟が見えるだけに、より強いメキシコを相手にどこまでできるのか見てみたい。
■浅野拓磨(パルチザン/FW/←後半27分IN)=★★★
短い出場時間ながら、浅野の特長は80パーセントくらい出せたように感じる。鎌田の後方からの縦パスに反応し、相手GKを退場に追い込んだ後半32分の飛び出しなどは、持ち前のスピードが存分に生きたシーン。シュートを決めきれなかった部分には課題を残すが、鎌田や遠藤とのコンビネーションも確立されており、今後への期待を抱かせた。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。