浦和、大量失点の“悪癖”露呈で2-6大敗 耐え切れない“脆さ”…試合中の修正ならず
開始14分で3失点を喫し、ズルズルと失点を重ねて惨敗に終わる
浦和レッズは14日のリーグ戦、敵地での横浜F・マリノス戦に2-6で大敗を喫した。4点差での敗戦は今季3回目となり、一度バランスを崩すと立て直せずに失点を重ねる悪癖があることを見せてしまっている。
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浦和はこの試合の前まで、6試合を3勝3分の無敗。一時期は無得点の3連敗を喫するなど低迷したところからの立て直しを印象付けていた。しかし、この横浜FM戦では中盤に発生したミスマッチを試合開始直後から解消できずに、前半14分までに3失点を喫した。
浦和はこれまで、7月22日の柏レイソル戦で0-4、8月8日の名古屋グランパス戦で2-6の大敗を喫している。今回の横浜FM戦は、前半18分までに3失点した名古屋戦によく似た展開になった。MF長澤和輝は「早い時間帯にマリノスに先制されて、そこからポンポンと流れを止められず、相手に試合を持っていかれた。入りはある程度、前から行こうとしていたが、逆に後ろのスペースや1対1の個の強さの部分、相手の特徴を生かした形を作らせてしまったので、そこはケアしなければいけなかった」と振り返る。
長澤は失点を重ねたピッチ内の状況を「連続で決められてしまったところで、一度みんなで集まって『ここで崩れないでやっていこう。後ろに下がってしまうのではなくて、ここから前に出て取り返しにいこう』という姿勢は全員で声をかけてやっていた」と語ったが、具体的な修正が行われたかと言えば疑問が残った。大槻毅監督からの修正、あるいはピッチの中で選手たちが自主的に行う修正がないままに、ズルズルと失点を重ねた感は否めない。
大槻毅監督は「入りのところからもう少しコントロールしたいというのがあったが、メンタル面も含めて、前半の入りのコントロールを失ったところが全てかなと思う」と振り返った。しかし、34試合のリーグ戦にカップ戦などの公式戦を戦っていれば、このように試合の入りがうまくいかないことや、早い時間に先制点を与えてしまうこともあるだろう。そうした状況に陥った時に、持ちこたえることができない脆さを浦和は垣間見せている。
浦和が強さを発揮する展開は、同じ4-4-2のシステムでマッチアップする試合に多く見られる。結果こそ出ているもの、大分トリニータ戦やサンフレッチェ広島戦、北海道コンサドーレ札幌戦のような対3バックの試合はプレスが噛み合わずに相手ボールの時間、攻撃をペナルティーエリア付近で受け止める時間が長くなりがちだ。この横浜FM戦や川崎フロンターレ戦のように同じ4バックでも中盤のミスマッチが発生した時も修正が遅れやすい。
浦和は今季から4バックを導入しているうえに、過密日程でトレーニングの時間も多く取れていない。スタメンが固まってきたのも、この試合の前までの好調の時期にようやくといったところだった。それは、ハマる試合とハマらない試合の落差の激しさという点で表れている部分がある。
浦和にとって残り6試合になった今季のリーグ戦だが、柔軟性を身に着けられるかどうかは戦いの安定感にもつながるだろう。12勝6分10敗と勝ち越していながら、得失点差がマイナス5であるということが、成績以上に不安定さを目立たせていることの象徴だと言えるのかもしれない。