「初心は忘れず」 冨安健洋、苦悩の1カ月を経て代表での“心境”変化「今はより…」

日本代表DF冨安健洋【写真:©JFA】
日本代表DF冨安健洋【写真:©JFA】

パナマ戦ではベンチだった冨安 メキシコ戦では先発有力か

 森保一監督率いる日本代表は、国際親善試合パナマ戦(1-0)から一夜明けた14日、オーストリア・グラーツでメキシコ戦(17日/日本時間18日)に向けて合宿6日目を迎えた。パナマ戦では出場機会のなかったDF冨安健洋(ボローニャ)はメキシコ戦での先発起用が有力。オランダ遠征からの1カ月、所属クラブで奮闘していた様子を明かした。

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 冨安がベンチから見守ったパナマ戦では、10月のオランダ遠征でも試合途中から挑戦した3バックをスタートから採用。前半はなかなか前線へのパスが通らず、決定機を作り出せなかった。だが、後半からMF遠藤航(シュツットガルト)が投入され、流れが変わった。0-0で迎えた後半14分、その遠藤からMF久保建英(ビジャレアル)にパスが通ると、すかさず前を向いた久保はペナルティーエリア手前まで運んで最前線のMF南野拓実(リバプール)へスルーパスを通した。抜け出した南野がエリア内で相手GKに足を掛けられて転倒。同16分に南野が自らPKを真ん中に蹴り込んで決めた。

 10月のオランダ遠征では2試合で好プレーを見せた冨安。1カ月間は苦しい時間を過ごしたという。10月18日に行われたリーグ第4節サッスオーロ戦(3-4)では、自身のオウンゴールが決勝ゴールになる厳しい結果に。同24日の強豪ラツィオ戦でも、イタリアメディアから辛口評価を受けた。

「正直、ボローニャのことで1カ月精一杯でした。ボローニャの成績も良くないですし、なかなか難しい状況でプレーしているなという感覚もあるので、正直言うと代表のことまで考える余裕はなかったですね。ボローニャのために、どう良くしていけるかで精いっぱいでした」

 まだ22歳だが、日本代表としては次世代のDFリーダーとして着実に成長を遂げている。今回は久保やMF三好康児(アントワープ)ら東京五輪世代も活躍。責任感は増しているようだ。

「実際に力を発揮することができていると思います。正直。若いからといって、遠慮している選手は誰一人いませんし、全員がスタメンで出ることを意識して練習から激しくやっているので。僕も最初はそうでしたし、その初心は忘れずにやっていきたい。ずっと試合に出させてもらっている分、チームの結果にこだわること、より意識するようになった。最初は自分をどう表現するかにフォーカスしていたけど、今はよりチームの結果も求めていけている」

 余裕すら感じさせる言葉には、経験を積んだことで自信があふれていた。メキシコ戦で見せる安定感ある冨安のプレーに注目が集まる。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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