「この仕事がめちゃくちゃ好き」 日本人“ホペイロ”の挑戦、単身ドイツで切り拓いた道
「ドイツに来てまでやってるんだから、相当好きなんだろうなと」
「イェーナ時代もスタッフチームは、めっちゃくちゃ仲が良かったですよ。たとえば練習が終わって夜にスタジアムでスタッフみんなで集まって、ビールを一から作ってみたりとか。スタジアム上の台所に来いよって言われていったら、大麦をつぶすところからやっていて(笑)。『なんだこれ!』ってなりますよね! あとアメリカ人のスポーツ心理学者がいたんですけど、アメリカってサンクスギビングデーが文化なので、その日にはみんなで集まって、彼がでっかい豚の丸焼きを持ってきて、みんなでアメフトを見るとか。すごい楽しかったです」
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サッカーを愛し、ホペイロの仕事を愛している。いつでも笑顔で、仲間を大事にして、毎日を楽しんでいる。
「ドイツに来てまでやってるんだから、相当好きなんだろうなと自分でも思いますね(笑)。海外来てまでやりたいという人は、なかなかいないんじゃないかなと。それを考えると、やっぱりこの仕事がめちゃくちゃ好きなんだろうなって」
天職は人それぞれ。それを自分で見つけ出し、さらに上に向けて進んでいく。それも一つの才能だろう。神原は逞しく、したたかに、ドイツのサッカー界で生きているのだ。(文中敬称略)
(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。