金崎夢生を変貌させた「ルーティーンワーク」 心技体を磨き上げる最高の準備とは
トレーニングの成果は数字にも表れていた
――ケガが怖かった選手がケガを恐れなくなったということはすごいですね。
木場「不安なくプレーできていることの表れだと思います。特に、一歩の動き出しが速くなったと思います。肉離れが怖いとグッと踏み出せないし、踏ん張ることができない。例えば日本代表でのワールドカップ・アジア2次予選のシンガポール戦で、振り向きざまにあの角度でのボレーシュートを決めたけど、それまでのプレースタイルから変わってきていると思いました。長友佑都選手も、強くなったって言っていました。ボールも収まるし、見ていて安定感も出てきた。しかも、ハードワークもできている。昔は60、70分で交代することが多い印象があったのに」
金崎「ケガのイメージもあったと思います。故障のリスクを回避するために、自然と途中交代が多くなったのかなと」
――昨年プレーした鹿島には走れる選手が多い印象がありました。その中でも金崎選手は際立っていましたね。
金崎「そうですね、昨シーズンは鹿島の中でもスプリント回数も多くて、自分が一番長い距離を走って、一番スプリントしている試合も何試合かありました。そうしたことも数字として出ているのであればうれしいです」
木場「グランパス時代、彼はフィジカルが強い選手というイメージではなかった。でも、ドイツに行って、培ったものがあった。また、そこからポルトガルに渡ってピッチコンディションも良くない環境で、自然と筋肉も鍛えられたのだと思います。日本に戻ってきても、良い形で体が使えるようになったという印象を持っています」
――そうしたさまざまな環境を経験できたことは、自分の財産になっていますか?
金崎「ドイツの後に、違う国でプレーできた経験は大きかったですね。一つの国でずっとやり続けることも、いいことだと思います。ですが、2カ国に行って自分の中で違いを把握できたし、実際に体感できたことは大きかったと思います」