金崎夢生を変貌させた「ルーティーンワーク」 心技体を磨き上げる最高の準備とは
海外移籍の苦難の先に得た成果とは?
――2013年にブンデスリーガのニュルンベルクに移籍しましたが、それに伴ってトレーニングの内容も変化しましたか?
金崎「海外でプレーするからといって、新たに特別なメニューを行うということはありませんでした。でも、少しでもいいコンディションで試合に臨みたいから、気になることがあれば、すぐに電話をかけていましたね。結構気にするタイプなので、頻繁に連絡していました」
木場「与えられたメニューをこなすのではなく、海外に行けば自ら選択してトレーニングメニューを作れるようになっていかなければならない。そういう指導は常に心掛けていました。アイシングにしても、ストレッチにしても、必ず患部の写真を撮って送ってもらうようにしていました。その都度、アドバイスをして夢生自身も学びながら、自らできることを増やしていってくれました。ただ、向こうでは夜9時くらいだと思うけど、日本では朝5時だからね(苦笑)」
金崎「電話に出てくれたので、本当に助かりました」
木場「最近は、ケガへの不安が無くなってきたからなのか、プレースタイルが変わってきた印象があります。海外移籍後は、日本に帰って来た時にメニューを渡し、向こうに戻った時もそれをやり続けてもらいました。もも裏の筋肉のパワーをつくるためには、坂道ダッシュも必要です。だから、ポルトガルでも、そのトレーニングができるように坂を探してもらいました。パワーをつけなければいけない時期もあります。ですが、彼の場合は、パワーよりも体軸を鍛えるところに重点を置きました。その成果も徐々に表れつつあると思います」
――その変化をどう感じていますか?
金崎「トレーニングを続ける中で、体をぶつけてもしっかりと耐えられるようになってきました。自分自身でも、今まで中盤でプレーしてきましたが、このプレーができるのならFWでもできるんじゃないかという予感もありました。実際に、ポルトガルでも最終的には『体が大きいから前線でプレーしてみろ』と言われましたし、鹿島(アントラーズ)でもFWで起用されるようになりました。体をぶつけられても耐えられるようになったことで、プレーの幅が広がったと思います」