金崎夢生を変貌させた「ルーティーンワーク」 心技体を磨き上げる最高の準備とは
金崎が木場氏の指導を受けて感じた体の変化
――そのルーティーンを行うきっかけは、木場トレーナーとの出会いだったのでしょうか?
木場「夢生とは、彼が(名古屋)グランパス2年目の時期に出会いました。ちょうどそのころ、彼は肉離れで悩んでいた時期でした。ただし、その年齢で肉離れを繰り返すケースは私が知る限り、あまり考えられませんでした。そこで彼の体や、動き方をつぶさに分析した結果、筋肉の硬さや、左右のバランスが違っていることが分かりました。まずはそれを改善するために簡単なストレッチからメニューを組み立てていきました。ストレッチといっても、ただ筋肉を伸ばすだけではありません。使える筋肉にしないといけない。肉離れが起きるということは、それだけどこか特定の筋肉に負担が掛かりやすくなっているということです。そこで、もも裏のトリートメントをしつつ、上半身がぶれないように脇腹の筋肉と、グッと踏ん張れるように臀部の筋肉を鍛え上げるメニューにも取り組みました」
――金崎選手は、なかなか思うようにプレーできない時期もあったと思いますが、木場さんの指導を受けて自分の体の変化を実感しましたか?
金崎「それまでは、ケガの恐怖が常に付きまとっていました。だから、思うように走ることができなかった。復帰しても再発させてしまうことが何度も続いていました。そうした部分の問題が徐々に払拭(ふっしょく)されてきたからこそ、今は相手がぶつかってきてもグッと踏ん張れるようになってきたのだと思います」