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クライフ「14番の伝説」 控え選手の番号を、特別な数字に変えた偉才のカリスマ
1974年西ドイツW杯でのあの名言…
「ドイツが勝ったのではない。オランダが負けたのだ」
クライフが残した名言の一つである。1974年の西ドイツ・ワールドカップ(W杯)決勝で敗れた後に、こう語ったという。
いや、西ドイツが勝ったのは事実だ―― と言っては野暮だろう。決勝の、大会のメインキャストであったオランダこそが「主語」として語られるべき、という主張には、ただの負け惜しみとして片付けにくい側面が、確かにある。クライフは、後にこうも語っている。
「世界中の人々が今も、あの大会のオランダについて多くを語り合っている。それこそ、我々の『勝利』を意味するものだ」
俗に言う「記録より記憶」だろうか。結果だけが重要ならば、わざわざ試合を見ずとも、テレビ、新聞、雑誌、ネットでスコアだけを確認すればいい――。そんな言い分にも、どこか通じるところがある。
優勝劣敗を競うのがプロの世界だが、同時に観る者を楽しませることも、プロのプロたるゆえん。どんなに強い勝者も、観る者に「退屈」と切り捨てられ、スタジアムに足を運ぶ人がいなくなれば、もはやプロとしてはやっていけない。
いかに守り、攻めるか、いかに点を取るか、いかに勝つか。これらに加えて、いかに観衆を楽しませるかという視点を、決して手放さない。それがクライフという偉才の際立った特徴かもしれない。