久保建英は「短時間で面白いプレーを見せた」 痛恨の“決定機逸”も…現地記者は好印象
【スペイン発コラム】バジャドリード戦で4戦ぶりのベンチスタート、決定機を決めきれず
ビジャレアルの日本代表MF久保建英は現地時間2日、リーガ・エスパニョーラ第8節バジャドリード戦(2-0)で、公式戦4試合ぶりにベンチスタートとなった。
10月下旬からのビジャレアルは、週の半ばにUEFAヨーロッパリーグ(EL)を戦うタイトな日程と、主力に怪我人が続出。そのためウナイ・エメリ監督は毎試合、大幅なローテーションを実施してきたが、久保は公式戦3試合連続で先発出場を果たしていた。バジャドリード戦の現地メディアの先発予想でも、久保は4-3-3の左ウイングで出場すると見られていた。しかしエメリ監督は、3-1で勝利したELのカラバフ(アゼルバイジャン)戦の4-3-3から4-4-2にシステムを変更し、6選手を変更。エースのFWジェラール・モレノが復帰した一方、久保はスタメンから外れた。
最下位のチーム相手にビジャレアルはキックオフから主導権を握り、前半にMFサムエル・チュクウェゼとDFパウ・トーレスがゴールを決め、危なげない試合運びでハーフタイムへ。後半開始後もビジャレアルがボールをキープしたが、追加点を奪えないまま時間が経過し、終盤バジャドリードに押し込まれたが2-0で勝利した。
そんななか久保が投入されたのは後半19分、チュクウェゼと代わり右サイドハーフでプレーした。攻撃面では相手DFラウール・ガルシアにハードタックルを受けてイエローカードを引き出し、中盤でチームメートと上手く連係し、前線に絶妙なタイミングでのパスを何本か送っていた。また後半39分にカルロス・バッカのスルーパスから、相手GKジョルディ・マジップと1対1になる決定機を迎えたが、決めきれなかった。一方、守備では相手にチャンスを与える不用意なパスミスがあったほか、マークのずれをチームメートに指摘され慌てて戻るシーンが見られ、終盤は守備に専念する時間が多くなっていた。
こうした久保のパフォーマンスについて、スペイン各紙の評価は分かれた。スペイン紙「マルカ」の評価はチームトップタイの2点(最高3点)。パウ・トーレス、MFアルフォンソ・ペドラサ、チュクウェゼ、MFビセンテ・イボーラ、MFマヌ・トリゲロス、MFモイ・ゴメスの6選手が同評価だった。
スペイン紙「AS」も久保を2点(最高3点)と評価。パウ・トーレスが唯一の最高評価の3点。DFマリオ・ガスパール、DFラウール・アルビオル、ペドラサ、チュクウェゼ、イボーラ、モイ・ゴメス、G・モレノ、FWパコ・アルカセルの8選手が久保と同じ2点だった。
一方、ビジャレアルの地元紙「エル・ペリオディコ・メディテラーネオ」は久保の評価について、「出場後に素晴らしいゴールチャンスがあった」と評するも、同じく途中出場のDFペルビス・エストゥピニャン、MFジェレミ・ピノと並び、チームで一番低い6点(最高10点)をつけている。チームトップは、ペドラサで9点だった。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。