ポルトガル遠征中の手倉森Jが前回大会優勝のメキシコから金星 浮かび上がった手応えと課題
最高の前半
前回大会金メダルのメキシコを相手にした力試しは、得るものの大きい試合になった。25日、ポルトガル遠征中のU-23日本代表は、2012年ロンドン五輪で金メダルのU-23メキシコ代表と国際親善試合を行った。開始直後に中島翔哉(FC東京)のゴールで先制した手倉森ジャパンは、前半のうちに南野拓実(ザルツブルク)が追加点。一方で、メキシコの後半は押し込まれて迫撃弾を許すも2-1で逃げ切った。良い部分と課題の両面が浮かび上がったテストマッチになった。
リオデジャネイロ五輪本大会への切符を手にしてから初のゲームとなったこのメキシコ戦に向け、手倉森誠監督「世界で戦える準備というところで、一発目に前回王者とやれる」と、北中米カリブ海予選を全勝で突破して本大会へ進む強豪国とのマッチアップを歓迎していた。18人に減る本大会のメンバー登録枠や、今後考慮されるオーバーエージの選出に向けても、選手たちにとっては新たな競争の始まりとなる一戦になった。
その日本は、開始直後にあっさりと先制点を手にした。敵陣で体を張ってボールを奪い取ったMF南野からのボールを受けたMF中島が左足を振り抜くと、相手DFの足に当たったボールはGKを超えてゴールへ。開始2分で1-0とリードを奪った。
日本はボランチの主将の遠藤航(浦和)を中心に中盤から前線で組織的な守備を見せてメキシコの攻撃を前進させない試合に持ち込んだ。ボールを奪ってからは前線が流動的にポジションを代えて変化のある攻撃を展開。新戦力の右サイドバック、ファン・ウェルメスケルケン・際(ドルトレヒト)もオーバーラップを見せるなどスムーズにチームに溶け込んだ。
そして、日本は効果的な守備から追加点を奪った。メキシコ最終ラインからの縦パスに狙いを定めた遠藤がハーフウエーライン付近でボールを奪うと、MF中島に展開。中島の縦パスを受けたFW久保裕也(ヤングボーイズ)がフリックすると、3人目の動きで走り込んでいたMF南野へ。GKとの1対1を冷静に決めた南野のゴールで、前半33分に2-0とリードを広げてハーフタイムに入った。