“U-12フットサル日本一”のちはら台SC コロナ禍の“非公式”全国大会で華麗な足技を披露
1993年に設立されたサッカー少年団がクラブ史上初の“全国制覇”
小学生年代のフットサルチーム“日本一”を決めるバーモントカップ(全日本U-12フットサル選手権大会)は、これまでにMF小野伸二、FW森本貴幸、MF東慶悟、FW齋藤学、FW原口元気ら、多くのサッカー選手も出場してきた大会だ。しかし、新型コロナウイルスの影響により、2020年の大会は開催が中止となった。
この年代の選手たちが、日本一を目指す舞台がなくなってしまったことから、なんとか全国大会を実現しようという有志が集まり、実現したのが「U-12フットサルチャンピオンズカップ」だ。全国230チームが参加して7月から9月まで行われたこの大会で、見事に日本一に輝いたのが千葉県代表のちはら台SCだった。
決勝戦では、地元・愛知県代表のブリンカールFCと壮絶な打ち合いを演じながらも、8-6で勝利した。守備の要でもあるFP大森聖太は、強力なロングシュートも得意としており、決勝でも豪快な直接フリーキックを叩き込んだ。また、攻め残ってチャンスをうかがうエースのFP鈴木珀は、グループラウンドから圧巻の得点力を見せ続け、決勝終了後には見ていた同年代の子供たちから握手を求められる人気ぶりだった。
残念ながら今大会は、バーモントカップのような日本サッカー協会の公式大会ではない。それでも今大会の優勝が、ちはら台SCにとってはクラブ史上初の全国タイトルとなった。
同クラブは1993年に設立されたサッカー少年団。近年は全日本少年サッカー大会の千葉県予選でもベスト8に入り続けている。入団する選手の保護者がボランティアで指導者を務めており、川島高介監督も自身の息子の入団以降、指導者として活動を続けてきた。
「この子供たちを幼稚園から指導してきて、バーモントカップに出場することが夢だったんです。バーモントカップがなくなって落ち込みましたが、こういう大会を開いていただき、子供たちのモチベーションだけではなく、保護者、指導者、すべてのモチベーションになりました。非常に感謝しています」
フットサルの全国大会ということで、今大会にはフットサルの日本リーグであるFリーグの湘南ベルマーレやフウガドールすみだの下部組織など、専門的にフットサルに取り組んでいるチームも多く出場していた。
「1対1の練習を多くやってきました。1対1のボールキープ、1対1のドリブル突破、シュートまでいく動き。そこはやらない日はないくらいやったと思います。チームとしてボールを保持する練習とチャンスがあれば突破する。そうした練習をやってきました」という川島監督の率いるちはら台SCは、フットサルに特化した練習はしていない。今大会にも「ピヴォ当てだけは意識した」(川島監督)という状態だったため、フットサル特有の動きをしてくる相手の動きに戸惑う場面もあったが、1試合1試合を競り勝って優勝にたどりついた。
Futsal X
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