元Jリーグ助っ人、マラドーナと日本人観客の秘話告白 「彼は不思議そうな顔を…」
90年W杯決勝で対峙したブッフバルト氏とマラドーナ氏 02年日韓W杯で再会時のエピソードを明かす
1994年に来日してJリーグの浦和レッズで活躍し、さらに現役引退後に監督として同クラブを率いてリーグ優勝1回、天皇杯優勝2回を達成した元ドイツ代表DFギド・ブッフバルト氏が母国メディアの取材に応じ、10月30日に60歳の誕生日を迎えたアルゼンチンの英雄ディエゴ・マラドーナ氏との秘話を明かしている。ドイツ紙「シュツットガルター・ナハリヒテン」が報じた。
ブッフバルト氏とマラドーナ氏の因縁は、今からちょうど30年前に行われた1990年イタリア・ワールドカップ(W杯)決勝までさかのぼる。ブッフバルト氏は西ドイツ代表(当時)の一員として、「史上最高の選手」とも称されたマラドーナ氏を擁するアルゼンチンと対戦。86年メキシコ大会からの連覇を狙うアルゼンチンの絶対的なエースであるマラドーナ氏を、ブッフバルト氏はマンツーマンディフェンスで完璧に封じ込め、西ドイツの1-0での勝利に貢献。同国に三度目の世界一の栄冠をもたらした。
イタリアW杯決勝についてブッフバルト氏は、「あの時のマラドーナとのデュエルの記憶は、今でも頭の中にはっきりと残っている。彼はあらゆることを試そうとしたけど、何もできなかった」と、自身にとっても一世一代の大仕事だったことを明かすとともに、還暦を迎えたマラドーナ氏に対して、「健康で満ち足りた人生を末永く過ごしてほしい」とメッセージを送った。
また、ブッフバルト氏はマラドーナ氏との別のエピソードについても語っている。同氏は、2002年日韓W杯決勝を横浜国際総合競技場(日産スタジアム)のスタンドで観戦している時に、偶然マラドーナ氏と出くわしたという。
「互いに50メートルほど離れたところで試合を観ていたんだが、そのうち日本人の観客が私たちのところにたくさんやって来るようになった。でも、彼らの大半はマラドーナではなくて私のところに走って来たんだ。マラドーナはそれを見て、少し不思議そうな顔をしていたよ。彼はもう写真撮影のためにポーズを取って待っていたんだけどね」
どうやら浦和に在籍していたために、日本での知名度は「神の子」と呼ばれたマラドーナ氏よりもブッフバルト氏のほうが上だったようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)