中村憲剛、今季限りでの現役引退発表 「いつかこの言葉を言う日が来ると思っていた」
前十字靭帯損傷の重傷を乗り越えて復帰し、今シーズン限りでの引退へ
川崎フロンターレは1日、オンラインでの記者会見を実施し、元日本代表MF中村憲剛の現役引退を発表した。
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中村は2003年に中央大学から当時J2の川崎に加入し、04年にはチームのJ1昇格に貢献。以降はJ1の強豪に成長していくチームを大黒柱として支え続け、16年にはJリーグMVPを受賞した。翌17年にはJ1初優勝を成し遂げ、18年にはJ1連覇の偉業も達成。そして19年にはクラブ初のルヴァンカップ優勝も経験している。
しかし、昨年11月2日のJ1第30節サンフレッチェ広島戦(2-1)で左膝前十字靭帯損傷、左膝外側半月板損傷の重傷を負い、全治7カ月となった。選手生命を脅かす負傷だったが、懸命なリハビリの末に今年の8月29日に行われたJ1第13節の清水エスパルス戦(5-0)で復帰。10月31日のFC東京戦(2-1)では自身の40歳の誕生日に決勝点を決める活躍も見せていた。
記者会見では「今シーズン限りで川崎フロンターレを引退します」と切り出した中村。クラブ特命大使の中西哲生氏から現在の心境を問われ、次のように答えている。
「正直、ホッとしている。いつかこの言葉を言う日が来ると思っていましたし、それをいろいろな人に事前に伝えて、チームメートには今日伝えて、皆さんにこうして話ができた。自分の中で溜めていたものが、ホッとしているというか、今はそういう気持ちです」
リーグ戦を9試合残す段階での発表となった理由については、「サポーターの皆さんにギリギリまで黙っていて、お別れの話をしてから試合がないというのはないと思っていた」と心境を明かした中村。サポーターへの思いを問われると、改めて感謝を述べている。
「サポーターの存在なしでは今の僕は100%いないと断言できます。それくらいフロンターレのサポーターには後押しをし続けてもらいました。初めて優勝できた時、日本一だと思っているフロンターレのサポーターに優勝をプレゼントできたのは、一生忘れない思い出ですし、感謝しかないです」
引退を決めたのはいつ
「最終的に判断したのは35歳を過ぎた時に、30歳を過ぎた時に自分の選手としての終わり方を漠然と考えて、1回は35歳まで頑張ろうと思っていて、35歳の時はちょうど風間さんが来てサッカー観も変わり、チームも右肩上がりだったので、その時にやめるという発想はなかった。35歳の誕生日を迎えた時、次は40歳までと。僕自身がどうなるかは分かりませんでしたし、40歳で区切りを付けて、残り5年をとにかく1年1年頑張ろうとここまでやってきました。35歳で決めてから36歳でMVPをいただいて、37歳で初優勝して、去年はルヴァンカップ(優勝)。終わりが決まったからこそというか、それまでの苦労が嘘のようにタイトルが手に入って、自分の中で40歳で終わるという終着点が徐々に見えてきたところで、ルヴァンカップに優勝して、その2日後に誕生日が来て、次の最初の試合で前十字を切った。自分がリミットを決めていた段階だったので、なんとしても復帰して、プレーする姿をファンの皆さんに見せて引退するんだと。1日でも早く戻りたいという気持ちでした。40歳の誕生日に自分が点を決めて勝つという」
今発表した理由
「監督に話をしたのが先週で、そこからいろいろなことが動いた。今回の会見も1日に設定してもらって、サポーターの皆さんにギリギリまで黙っていて、お別れの話をしてから試合がないというのはないと思っていた。長くやっているスタッフも、サポーターに告げてからプレーする期間があっていいんじゃないかと。オニさんもいつでもいいと言ってくれましたし、強化部からもそういう話をもらったので、今日にしてもらいました。ずっと過密日程でチームも走っていましたし、僕自身もリハビリからやっと戻ってきて、スタメンとして勝利に貢献できて、やっと選手としてチームと話ができるようになったと思いました。話し出したタイミングと、周りの皆さんのタイミング、そして40歳を迎えた次の日ということで、決めさせてもらいました」
1年前の怪我の時、こうなると思えた?
「難しいだろうなと最初は思いました。リハビリして戻るだけじゃなくて、チームの勝利に貢献できるところまで頑張るという話はしていた。昨日もそうですけど、前十字を切るというのはすごく難しいことで、いろいろな話は来ていました。逆にそれがモチベーションにもなりましたし、中村憲剛、やるじゃんと思ってもらえるような形まで戻したいというのは自分でもあった。そういう意味では切った時には思えなかったですけど、どんどんそういう自分を期待している自分がいた。昨日の試合でそれを見せられたというのはすごく嬉しく思っていますし、周りのみんなに感謝しかないと痛感する1年になりました」
「サポーターの存在なしでは今の僕は100%いないと断言できます。それくらいフロンターレのサポーターには後押しをし続けてもらいました。初めて優勝できた時、日本一だと思っているフロンターレのサポーターに優勝をプレゼントできたのは、一生忘れない思い出ですし、感謝しかないです」
(FOOTBALL ZONE編集部)