最終ラインから見るザッケローニ、アギーレ両戦術の違い 「目新しさはない」という吉田が周囲を導けるか
「ザックさんより細かくない」
最終ラインの位置を高く保ち、前線との距離を縮めることで中盤でプレスをかけやすくする意図があったザック流とは異なり、最終ラインを若干下げ、守備ラインの裏のスペースを徹底的にケア。アンカーとDFの間でボールを奪うアギーレ式へのシフトを進めている。
「守備の注意点はアンカーがいるのでラインが深くなりがちなのと(この日1トップを務めた)サコ(大迫)の前で相手にボールを持たれるようになる。相手のボランチにパスを出させないようにすること。ザックさんより細かくない。僕はスペイン人の監督とプレミアで3人やっているから目新しさはないけど、若い選手はそう思うかも。聞いてみてください」
戦術至上主義のイタリア出身のザッケローニ監督ほどのマニアックな精緻さはないというアギーレ監督の戦術。最終ラインが下がるためにプレスラインも自然と下がる傾向にあり、吉田は注意点として相手のボランチに自由自在にパスを配給させないことを挙げた。
アギーレ監督が指導するディフェンスのアプローチが2戦目のベネズエラ戦(9日・日産スタジアム)でいかに機能するのか。これまでの経験からアギーレ戦術にそれほど目新しさを感じていないと話す吉田がアギーレ流の浸透において重要な役割を担うことになりそうだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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