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「10番」なきイタリア代表の現実 カルチョの国からファンタジスタは失われたのか
アッズーリの「10番」が背負う重圧
続く98年のフランスワールドカップでは、10番をつけたのはデルピエロだった。しかし、開幕前に負った負傷の影響もあり、初戦は18番のバッジオがスタメン起用された。最後までこの2人は同時起用されず、「10番を背負ったデルピエロに、プレッシャーを与えないためにリレー起用した」という論調が起こるほどだった。
その後も、フランチェスコ・トッティとデルピエロのどちらが10番をつけるかと話題になり、デルピエロが「僕はもともとこの番号が好きだから」と2002年の日韓ワールドカップでは7番を選択し、優勝した06年ドイツワールドカップでも同じだった。これもまた、「雑音を封じたいからだ」という受け取られ方もした。それだけ、10番を誰がつけるかは特別だった。
しかし、今回のイタリア代表には10番がいない。同サイトでも「疑いの余地はなく、今のイタリアにスターはいないのだ」としている。そして何よりも、「どの選手も他の番号を欲しがって、10番を選ばない」と、嘆きにも似た言葉で論じている。
確かにメンバーを見れば、10番を誰に与えるかを考えると難しさが残る。過去のイタリア栄光の時代の流れを汲むなら、2013年のコンフェデレーションズカップでも10番をつけたFWセバスティアン・ジョビンコになるのだろうか。しかし、彼は今アメリカMLSのトロントFCでプレーしている。MLSのレベルを論じる意図はないが、伝統を重んじるならイタリア国内、少し広げてもヨーロッパ圏でプレーしていない点に引っ掛かりはあるだろう。