「永井雄一郎に似ている」25歳ドリブラーが躍進 復調気配漂う浦和のキーマンへ
C大阪に3-1で勝利、浦和加入2年目のMF汰木康也が2得点に絡む
浦和レッズのドリブラーの系譜を継ぐアタッカーが、一気にブレークの気配を見せている。24日に行われたJ1第24節のホームゲームでセレッソ大阪に3-1で勝利。この試合でMF汰木康也は同点PKを奪うなどの活躍を見せた。
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浦和が1点ビハインドで迎えた前半32分、相手のミスからショートカウンターを仕掛けた状況で、汰木はFW武藤雄樹からの縦パスをペナルティーエリア内の左サイドで受けた。DF瀬古歩夢を前にしたこの状況を、「最初はシュートを打とうと思ったけど相手に当たるなと感じたので、もう一つかわして強いシュートを打つか中に合わせるか、と直感で思って抜きにいったところで倒された、という感じ」と振り返る。すると、積極的なこのプレーが功を奏しPKを奪取した。
このPKをFW興梠慎三が決めて同点に追いつくと、逆転に成功して迎えた後半26分には左サイドのゴールライン際で2人をかわし、さらに相手を引き付けて中央へラストパス。それを受けたFWレオナルドのシュートはGKキム・ジンヒョンに弾かれたものの、MFマルティノスがこぼれ球を押し込んだ。“アシスト逃し”の形にはなったが、ゴールを演出したと言って良いだろう。
現在25歳の汰木は10月10日の敵地サガン鳥栖戦で、後半アディショナルタイムに1-0の決勝ゴールを決めた。これが昨季にJ2モンテディオ山形から浦和へ加入してからの初ゴールで、J1初ゴールでもあった。それから柏レイソル戦、ベガルタ仙台戦、このC大阪戦と、ゴールではないもののハッキリと得点に関与している。今季から4バックに変更して最も得意とするサイドハーフでのプレーが期待された中で結果につながってこなかったが、ここ4試合では浦和の攻撃のキーマンになっている。
「ゴールやアシストという目に見える結果はまだ物足りないと感じますけど、(鳥栖戦で)点を取ってからペナルティーエリアに入っていく回数も増えた。試合を重ねるごとに(興梠)慎三さんとか武藤(雄樹)君と、お互いの特徴など今まで以上に感じながらプレーできているのが、たくさんのゴールにつながっていると思う」
その鳥栖戦から無得点の3連敗をストップしたと同時に4試合負けなしの浦和だが、先発2トップが興梠と武藤に定まってきているのも一つの特徴かもしれない。武藤が2015年に浦和へ加入してから6シーズン目のコンビは、すでに互いのプレーを理解し合って確立されたコンビネーションがある。夏場までの汰木は2人のリズムに合わせられない場面が多々あったが、ここ数試合ではそれが劇的に改善されている。ゴールにはならなかったものの、柏戦ではこのトリオで二つの明確な決定機を生み出した。
「2人ともすごく動く選手なので、パスを合わせようにも結構合わないシーンが今までに多くあったし、慣れるまでに結構時間がかかったという印象がありますね。最近やっと、どういうふうに動くかとか、どこのスペースを使いたいのかを感じられるようになってきた。プレーを見てもらえれば分かると思いますけど、だいぶ感覚が合ってきているシーンが増えてきているし、逆に向こうも分かってきて、自分のドリブルのコースや受けたいところを感じながらやってくれていると思う」