「プライドが許さない」 アジア最終予選で落選した関根貴大が誓う逆襲

強まるリオ五輪への思いとプライド

 あれから1年以上が経過した。浦和でフルシーズン、レギュラーとして戦い、1stステージの無敗優勝に大きく貢献したという実績と自負が、今の関根のプライドを形成している。

「誰かに引っ張ってもらうなんて、もう絶対にあり得ないです。同世代に頼らざるを得ないなんて悔しいし、自分のプライドが許さない。U-19アジア選手権では1点も決められていないので、(リオ五輪アジア)最終予選では、本当に決めたいですね。自分が決めて、オリンピックの切符をつかみたい」

 そう言うと、関根はこの日、何度か発したセリフを、もう一度口にした。

「ゴールへの意識は、本当に貪欲になってきているんですよ」

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 このインタビューの後に行われたリオ五輪アジア最終予選を戦うチームに、関根は招集されなかった。その忸怩たる思いが、関根を大きく突き動かしている。

 2016シーズンも開幕から浦和の主力として好調を維持し、見事にU-23代表のポルトガル遠征のメンバーに選出された。この遠征中、関根はいったいどんなプレーを見せてくれるだろうか。

 リオ五輪出場を懸けた戦いは、まだ始まったばかりだ――。

[PROFILE]

関根貴大(せきね・たかひろ)

1995年4月19日、埼玉県生まれ。FC鶴ヶ島から浦和レッズジュニアユースに加入し、ユース、トップチームへと昇格した生え抜き。プロ1年目から出場機会をつかみ、プロ2年目の2015シーズンは不動の右ウイングバックとしてチームの1stステージ制覇に貢献。2016シーズンも開幕からレギュラーの座をつかんでいる。

〈サッカーマガジンZONE 2016年2月号より一部加筆修正をして転載〉

【了】

飯尾篤史●文 text by Atsushi Iio

佐野美樹●写真 photo by Miki Sano

 

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