「プライドが許さない」 アジア最終予選で落選した関根貴大が誓う逆襲
アジアで勝てなかった理由は何だったのか?
「なんかおかしい、勝てるはずなのにどうしてって、みんなが思っているうちに負けてしまって。次のベトナム戦(○3-1)だって、直前のベトナム遠征では2戦とも勝っているのに、ぎりぎりで、なんとか逆転して。本当に誰も、こんな戦いになるとは予想してなかった」
普通にやれば勝てるはずなのに、普通にできない、勝たせてくれない。
それがアジアでの戦い、世界大会への出場が懸かった大会の恐ろしさ、だった。
なぜ、勝てなかったのか、今の関根には分かっている。
準備不足、それに尽きる、と。
劣悪な芝に足を取られて体力を消耗し、日本を食ってやろうとする相手チームの勢いに気おされた。試合が中1日の間隔で進んでいったため、体力の回復もままならなかった。
そうした経験は、関根だけでなく、チームの大半の選手にとって初めてのことだった。
「最後は体が動かないくらいパンパンで、自分の最高のパフォーマンスが出せなかった、出し切れなかった。それが悔しくて」
さらに、一人ひとりの気構えの問題もあった。
エースは、早生まれのために、1つ上の学年から加わった南野だった。南野はエースにふさわしい働きでゴールを奪い、チームを決勝トーナメントへと導いた。
その、ちょっとだけ年上のエースの存在に、チームは頼ってしまったのだ。
「拓実くんの存在は何よりも大きかったと思います。そういうつもりはなかったんですけど、結果的に引っ張ってもらった感じ。でも、それではやっぱり勝てないですよね。一人ひとりが、自分がやってやる、結果を残してやるっていう気持ちでいないと。それが一つになって初めて、大きな目標というのは達成できると思うので」