「プライドが許さない」 アジア最終予選で落選した関根貴大が誓う逆襲
関根がもう一つ証明したかったこととは?
佐賀合宿では、ゴールという結果を残すほかに、もう一つ大事なことがあった。それは、サイドハーフとしてもプレーできるということを証明することだった。
浦和のシステムは3-4-2-1で、関根が務めているのは「4」のアウトサイド、ウイングバックと称されるポジションである。一方、U-22日本代表が採用するのは4-2-3-1や4-4-2で、ウイングバックのポジションはない。
より攻撃的で、よりインサイドでのプレー機会も多い2列目のポジションを、果たして関根はこなせるのだろうか――。
それが、手倉森監督の懸案の一つだったことは、間違いない。
「監督にとっては、不安要素だったと思うんです、関根は本当に2列目ができるのかって。でも、僕には自信があった。いや、自信しかなかったです。ユース時代は2列目でプレーしていたので、そこでのプレーに怖さは全くなかった。浦和での良さと、代表で出せた良さは、全く違うものだったと思います」
むしろ、浦和でもより攻撃的なポジション――、3-4-2-1の「2」、シャドーのポジションを務めたいという野心を秘めている。だが、一方で、戦術理解度の高さ、ユーティリティー性が自分の武器であることも認識している。
「ユース時代に、監督が4人替わっているんですよ。それでも全員が起用してくれたことは、自信になっています。全員が自分のスタイルを好んでくれたというのもあると思うんですけど、僕自身も求められることをやらなければ使われないので、そこはすごく意識した。だから、ずる賢さっていうか、自分の持ち味と監督の求めるものとのバランスが自然と身に付いたんだと思います」
そう言うと、関根は笑顔で続けた。
「だから、本当はシャドーがやりたいけど、サイドバックをやれ、って言われたら、もちろんやりますよ」