「楽しくやってんの?」 波に乗れないチームへ愛のムチ、浦和FW興梠が発した“ベテランの言葉”

ベガルタ仙台戦で2ゴールを決めチームの勝利に貢献したFW興梠慎三【写真:小林 靖】
ベガルタ仙台戦で2ゴールを決めチームの勝利に貢献したFW興梠慎三【写真:小林 靖】

J1第23節ベガルタ仙台戦で2ゴール、J1通算ゴールで4位タイに浮上

 浦和レッズのFW興梠慎三は、18日に行われたJ1第23節ベガルタ仙台戦で2ゴールをマークして6-0の勝利に大きく貢献した。J1通算ゴールで4位タイに浮上する個人成績となったが、今季の結果が出ない時期にチームへ「みんな、楽しくやってんの?」という問いかけをしていたことを明かした。

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 興梠は前半39分、スルーパスに抜け出すと仙台GKヤクブ・スウォビィクをかわそうとしたところで倒されてPKを獲得した。これを自らゴール右に蹴り込むと、後半6分にはMF汰木康也のクロスに頭で合わせて加点。2013年の浦和加入以来、リーグにおける仙台戦での成績が16試合18ゴールという興梠は、この一戦でも仙台キラーぶりを発揮した。

 この試合での2ゴールにより、興梠のJ1通算得点数は154ゴールに到達。元日本代表FW前田遼一(FC岐阜)に並ぶ歴代4位タイに浮上した。しかし、試合後の興梠は「記録に残ることはすごく嬉しいことですけど、自分としては前提にチームが勝つために得点を取ることがあるので、記録というのは結果論というか、自分へのご褒美だと思いますから、特に深く考えることはないのかな」と、あっさりとした言葉で振り返った。

 浦和は今季、昨季途中から正式に就任した大槻毅監督がプレシーズンから4バックを導入。戦術的にも大きな変化があり、現・コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督が築いたポゼッションサッカーとは異なるスタイルへと舵を切った。そうした中で、なかなか安定した成績を残すには至らず、この試合前の段階でリーグ戦におけるホームゲームでは4試合連続無得点、なおかつ、4連敗という厳しい成績だった。

 前々節にサガン鳥栖に1-0で勝利した後に、選手間ミーティングを行ったことをDF槙野智章が明かしていたが、興梠自身は「個人的にですけど、あまり選手が集まって喋るというのは好きじゃない。なぜかと言うと、うまくいってない時に集まるわけで、それはない方がいいじゃないですか」と、その理由を話す。一方で、そのミーティングでは1つの問いかけをチームにしていたことを明かした。

「あまり僕は喋らないようにしようと思ったんですけど。でも最後にちょっと、『みんな、楽しくやってんの?』というのは聞きたくて。やっぱり、若手はイキイキしていないし、ベテランも若手が出た時にその若手を良い方向へ持っていけてるのかなと。そう感じて、やりながら思っていたので、そういうのはみんなに言いました。それくらいですかね。そんなに深くは、僕は喋っていないですけど。自分たちが楽しくしないと、観ている方も、サポーターの皆さんたちも面白くないだろうし」

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