UEFA会長、来年へ延期のEURO「開催されることは間違いない」 “懸念点”は?
今夏開催予定だったEUROは新型コロナウイルスの影響で来年へ延期
2020年夏に開催されるはずだったサッカー界の大きなイベントに、欧州選手権(EURO)の本戦がある。新型コロナウイルスの影響で来年へと延期になった大会だが、欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンダル・チェフェリン会長はイタリアの経済とサッカーの専門メディア「カルチョ・フィナンツァ」に対し、大会の実施を明言した。
EUROの本戦は、2月中旬から欧州の各国リーグが本格化した新型コロナウイルスの感染拡大で中断してから、開催が危ぶまれた。そして、1年間の延期がすでに決定している。欧州全体が受けた影響についてチェフェリン会長は「全てのクラブだけでなく、各国リーグや連盟、UEFAの経済状況も以前ほど良くない。このパンデミックをできるだけ早く終わらせることが重要だ。さもなければ経済全体、そしてサッカーも例外ではなく、非常に深刻な問題を抱えることになる」と危機感を話した。
そして、「できるだけ早くワクチンが完成することを願っている」と話すチェフェリン会長だが、UEFA主催の一大イベントであり、欧州12か国での分散開催という新たな試みが予定されているEUROの開催には問題がないという考えを示している。
「私たちは常に公衆の衛生と健康状況を気に掛けている。しかし、2021年にEUROが開催されることは間違いない。12か国で行う大会フォーマットの変更もない。仮に緊急事態があったならば、11か国でもできるし、5か国でも、あるいは1か国で全てを行うこともできる。未確定なのは観客の扱いだ。満員のスタジアムで行うことができる状況から、無観客まで起こり得る」
サッカー文化の浸透した欧州ならではの、急場で1か国の集中開催になっても大会の実施に問題はないという考えを示した。一方で、スタジアムがどのような光景で行われるのか。特に、自国の代表チームを熱狂的に応援するような姿がスタジアムで見られるのかどうかは未知数であるという考えをチェフェリン会長は示している。
欧州24か国による頂上決戦の開催が明言されたのは心強い限りだが、感染拡大やワクチンの状況次第の部分も残る。何か国が開催にOKを出すのかも含め、ギリギリまで調整する部分が多くなりそうな複雑な状況も起こることになりそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)