日本代表「史上最強」と絶賛の“5つ星”選手は? 「コートジボワール戦出場15人」を金田喜稔が採点
攻守に躍動した伊東は「右サイドハーフの一番手であると証明した」
■鎌田大地(フランクフルト)=★★★★
フランクフルトで結果を残しているトップ下で起用され、自身の“色”を出してくれた。コートジボワールの屈強な守備陣を相手にしても簡単にボールを失わず、シュートまで持っていくボールの引き出し方が非常に上手い。後半13分の場面では巧みなトラップから仕掛けてシュートを放ったが、普段ブンデスリーガでコンスタントにプレーしている力強さや自信が見えるプレーだった。得点に絡むことはできなかったが、南野とはタイプの違うサイズのあるトップ下として、森保監督にアピールできただろう。
■伊東純也(ヘンク/→後半40分OUT)=★★★★
限りなく5つ星に近いパフォーマンスで、オランダ遠征2試合を通して競争の激しい右サイドハーフの一番手であると証明した。最大の武器であるスピードを生かして自信を持って裏を取る動きができているし、仕掛けることもできている。クロスが合わない部分に関しては、今回の代表が久しぶりの活動であり、レギュラーを固定できていないため、中に入る選手の役割や個性を完全に把握できていないことも影響したと思う。今後チームとしてしっかりと整理できれば、伊東のクロス精度も上がっていくはずだ。また今回の試合では攻守の切り替えの早さ、守備時の体を張ったプレーも光っていて、自陣に戻ったところでどれだけチームに貢献できるかという部分でも大いにアピールした。
■柴崎 岳(レガネス)=★★★★
カメルーン戦では中山とのコンビで攻守においてスムーズさを少し欠いていたが、現体制になってから長らくコンビを組んでいる遠藤との2ボランチにより、柴崎の良さが引き出された印象だ。ポジショニング、そしてボールの散らし方にも迷いがなく、守備時の動き方も遠藤が入ることではっきりとしていた。決勝点を導くFKの精度も素晴らしく、勝利につながるアシストを記録したことは評価したい。攻撃時により高い位置での関与など、物足りなさが残る部分はあったもののカメルーン戦よりは持ち味を出せていた。
■遠藤 航(シュツットガルト)=★★★★
ドイツで最も評価されている球際での競り合いの部分での自信が、コートジボワール戦でも十分に表現できていた。相手に対してただ寄せるだけではなく、体を入れてボールを奪いにいける。あるいはそこで奪えなくても、相手を不利な体勢に追い込んでカバーに入ったチームメートに奪ってもらう。駆け引きの部分でも、わざと相手をおびき寄せてから奪うシーンもあった。1対1の局面でのバリエーション、上手さ、強さなどすべてを兼ね備えている。今の日本のボランチでは、間違いなく絶対的な存在だ。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。