日本代表「史上最強」と絶賛の“5つ星”選手は? 「コートジボワール戦出場15人」を金田喜稔が採点

左から伊東、鎌田、吉田、久保、遠藤【写真:Getty Images & JFA】
左から伊東、鎌田、吉田、久保、遠藤【写真:Getty Images & JFA】

アフリカ強豪に2戦連続無失点も攻撃には“もやもや感” 「スイッチが入らなかった」

 森保一監督率いる日本代表は現地時間13日、オランダ・ユトレヒトで国際親善試合コートジボワール戦に臨んだ。9日のカメルーン戦(0-0)から先発7人を入れ替えたなか、身体能力の高いアフリカの強豪に得点を許さず、後半アディショナルタイム1分に敵陣で獲得したFKから途中出場のDF植田直通がダイビングヘッドで決勝点を叩き込み、1-0と勝利した。

 史上初となる“オール欧州組”でのオランダ遠征2試合目で、2020年“初白星”を挙げた一戦を識者はどのように見たのか。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した全15選手を5段階で評価(5つ星が最高、1つ星が最低)。流れのなかから得点を奪えなかった攻撃陣に物足りなさを感じた一方、フィジカルに優れたアフリカ強豪相手に2試合無失点で抑えた守備陣、特にDF吉田麻也(サンプドリア)とDF冨安健洋(ボローニャ)のセンターバックコンビを「史上最強」と絶賛した。

   ◇   ◇   ◇

<FW>
■鈴木武蔵(ベールスホット/→後半28分OUT)=★★★

 大迫勇也(ブレーメン)が不在のなかで先発し、持ち味である裏への抜け出しを披露するだけでなく、体を張ったポストプレーも見せていた。まだ大迫ほどではないにしても、欧州クラブへの移籍を機に攻守において体を張る経験を積んでいることで、彼自身の意識が変わってきたのだろう。野心を感じさせるプレーであり、26歳という年齢を考えても、まだまだフィジカルは上がる。今後への期待を抱かせてくれた一方、1トップとしては多くのシュートシーンを作ることができなかった。

<MF>
■久保建英(ビジャレアル/→後半16分OUT)=★★★

 圧倒的な技術を持つ久保だけに2列目のどこでもプレー可能とはいえ、やはり主戦場は右サイド。左利きの選手が左サイドに入る場合、やはり縦へ突破してクロスという形を最も期待するが、そこは久保の得意分野ではない。前半33分に中山とのコンビで突破してグラウンダーのパスを送るなど、久保は与えられた役割のなかでやれることを最大限にやろうとしたが、クラブであまり試合に出られていないこともあり、局面での精度はやや欠いていた印象だ。この日のメンバーを見た時、やはりゲームを作っていくべきなのは久保だろう。だが実際には久保にボールが入っても、日本の攻撃に“スイッチ”は入らなかった。それは彼自身のコンディションの問題かもしれないし、得意の右サイドでプレーできなかった影響かもしれない。いずれにせよ、攻撃のリズムを生む中島翔哉(ポルト)がいないなかで誰がその代役となるのか、その答えを見出せなかったことが、この2試合での攻撃陣に対する“もやもや感”の要因だろう。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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