アギーレ初陣で痛恨ミスの坂井を監督、長友らがサポート 本人も「くよくよしていてはもったいない」
アギーレ監督は「切り替えてほしい」
日本代表のハビエル・アギーレ監督が初陣となった5日のウルグアイ戦で0-2と完敗後、ミスを犯した“チルドレン”にアドバイスするマネジメント力を示した。
代表初選出で先発メンバーに抜擢された鳥栖DF坂井達弥は前半34分に最終ラインで痛恨のトラップミスを犯し、相手の先制点の呼び水となるなど、2失点に絡んだ。
いきなりの大舞台、しかも相手は南米の強豪ウルグアイ。代表初招集となった無名の若手には荷が重過ぎる相手だったことは明白だっただけに、アギーレ監督のアプローチは早かった。「切り替えてほしい」。初陣黒星の失点の原因を作った坂井に対し、直接声をかけた。今後ミスを恐れ、萎縮しないための働きかけだったに違いない。
メキシコ人指揮官の意をくんだ男がいる。インテルDF長友佑都だ。6日のクールダウンでのランニングで坂井と並走したダイナモは「パスコースがなかったね。監督は必ずしもつなげとは言っていない。割り切って長いボールを蹴ってもいいのでは」と助言した。
アギーレ監督はスペイン1部エスパニョールでも、ポゼッション至上主義を掲げるクラブが多い中、ロングボール主体の速攻サッカーで異彩を放っていた。また、長友も堅守速攻の多い戦術至上主義のセリエAでもまれてきただけに、ゴール前でのナイーブなミスがいかに致命的か理解している。
「通用したのは高さ、1対1とかやられていない。でも通用したのか、ごまかせたのかは分からない。必死にやった90分。あっという間だった。すごくいい経験をさせてもらっている。くよくよしていてはもったいない。勉強しようと思う」と坂井。監督と長友のメンタルケアで代表デビュー初戦での自信喪失は多少なりとも軽減することはできたかもしれない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web