“オール欧州組”の日本代表で「残念だった」のは? 「カメルーン戦出場15人」を金田喜稔が採点
右サイドをぶっちぎった伊東は「確実に計算できる戦力と改めて証明」
<途中出場>
■伊東純也(ヘンク/←ハーフタイムIN)=★★★★
3-4-2-1の右ウイングバックとして後半から出場。チーム全体がリズムに乗るなかで持ち味を十分に発揮した。自慢のスピードで縦への推進力を生み出し、後半4分の大迫へのクロスなど狙いどころも明確。以前は勢いで上げていた部分もあったが、今はメリハリの利いたクロスを入れようとしている。これもベルギーで全試合にフルタイム出場している自信なのだろう。相手も疲れ切っている状況とはいえ、最後の場面で相手をぶっちぎったスピードは素晴らしかった。あのスピードがあれば、相手守備陣のカバーリングなど対応も変わってくるから、中の選手のマークが甘くなる局面も増えてくる。伊東は現在の日本において、ジョーカーとしても確実に計算できる戦力だということを改めて証明してくれた。
■久保建英(ビジャレアル/←後半20分IN)=★★★
明らかにクラブで、満足に試合に出られていない影響が見えた。身体的というより、試合勘の部分でのコンディションが整っていない。久保にしては状況判断が遅く、パスミスも多い。「え、こんなキックするの?」という中途半端なパスもあった。いつもならもっと仕掛けてから出すようなシーンでも、足もとにボールを止めたまま蹴る。普段よりも状況判断が悪いためアイデアが浮かばず、浮かんでも体が反応しきれずに技術的なミスにつながってしまう。後半39分に左サイドを突破してクロスを上げ大迫に合わなかった場面があったが、いつもの久保ならもっと巻いて蹴れたはず。最後のFKでは非常に良いキックを見せたが、本調子には程遠かった。
■鎌田大地(フランクフルト/←後半26分IN)=評価なし
自分のタイミングでボールが集まる時にリズムが出てくる選手であり、カメルーン戦のように思うように引き出せない状況だとプレーは難しくなる。左シャドーに入り出場時間も短かったため、持ち味を発揮しきれなかった。
■菅原由勢(AZ/←後半41分IN)=評価なし
左ウイングバックに投入されA代表デビューを果たしたのは、菅原のキャリアにとって大きな一歩。もっともプレー時間が短く、ボールに絡む機会がほぼなかったため、評価材料に乏しかった。
[PROFILE]
金田喜稔(かねだ・のぶとし)
1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。
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(金田喜稔 / Nobutoshi Kaneda)
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。