“オール欧州組”の日本代表で「残念だった」のは? 「カメルーン戦出場15人」を金田喜稔が採点
身体能力の高い相手に堂々と渡り合ったDF陣は「ポジティブな評価を与えられる」
<DF>
■安西幸輝(ポルティモネンセ/→ハーフタイムOUT)=★★★
招集を辞退した長友佑都(マルセイユ)の代わりに左サイドバックに入ったが、身体能力の高いカメルーンとの対戦で守備時の対応にぎこちなさを感じた。最終的にチーム全体として無失点に抑えており、大幅な減点材料とはならなかったが、攻撃面でも原口との連係を含めてインパクトを残せなかった。
■冨安健洋(ボローニャ)=★★★★
前半23分にイエローカードを受けながら身体能力の高い相手に球際で堂々と渡り合った。クラブで試合に出ていることでコンディションが良く、攻撃にリズムが生まれないなかで失点ゼロに抑えた守備陣の一角としてポジティブな評価を与えられる。後半の3バックにもきっちりと対応したが、気になったのは前半の4バック時でのビルドアップの部分。この試合では吉田と左右を入れ替え左のセンターバックを務めたため、慣れない左足でロングフィードを蹴っていた。無理に左足で長いボールを蹴らず、もう少し柴崎ら近い距離の選手に預けても良かったように感じた。
■吉田麻也(サンプドリア)=★★★★
安心して見ていられた選手の1人。4バック、3バックともにしっかりと最終ラインを統率し、相手とのマッチアップでも上手さを見せた。前半23分にはCKから相手GKのファンブルを誘うヘディングシュート。1試合を通じてプレーが安定しており、最後の局面で崩される心配はなかった。
■酒井宏樹(マルセイユ)=★★★★
右サイドバックに入った前半は果敢に攻撃参加し、同22分にはゴールライン際から南野にクロスを供給するなど持ち味を発揮した。後半から3バックの右ストッパーにスライドすると、相手FWとのフィジカル勝負で一歩も引けを取らず。右ウイングバックに入った伊東との連係にも安定感があった。両ポジションをハイレベルにこなしたことで、今後試合中にアタッカーを1枚増やしてシステム変更するという戦術面での選択肢が増えた。
<GK>
■権田修一(ポルティモネンセ)=★★★★
相手の強烈なシュートにもしっかりと反応して無失点。今季クラブで出場機会が得られないなか、試合勘の面で不安はあったが、ディフェンスラインとの連係も含めて安定していた。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。