“オール欧州組”の日本代表で「残念だった」のは? 「カメルーン戦出場15人」を金田喜稔が採点
“空回り”していたように見えた中山 「プレーの選択肢が足りなかった」
■南野拓実(リバプール/→後半26分OUT)=★★★
いつもファーストシュートを放ちチームを勢いに乗せるが、カメルーン戦では攻撃のリズムをなかなか生み出せず、ようやく前半19分に“1本目”を放った。大迫との縦関係も普段に比べてスムーズさを欠き、特に前半は思うようにプレーできなかった印象。巧みなボールコントロールも見せて相手ゴールに迫ったが、“個の勝負”で決めきれなかった。守備では高い位置から精力的にプレスをかけていたが、チーム全体の攻撃が良くなれば、南野の切り替えの早さなどリバプールで磨いている持ち味はもっと生きてくるはずだ。
■堂安 律(ビーレフェルト/→後半20分OUT)=★★★
中島が不在の2列目、昨年のアジアカップと同じ3人となったなかで、堂安がどのようにリードしていくのかを見ていたが、物足りなかったのが率直な感想。縦への突破、右サイドでの酒井や伊東との関係、中に切り込んでからの大迫、南野とのトライアングルでの仕掛けでも、そこまで良い形を作れなかった。欧州組としては約1年ぶりに集まったなかで、連係面での成熟度を求めるのは難しいが、その分、個の打開力を堂安にも期待していたが、目を引くシーンはほとんどなかった。
■中山雄太(ズウォレ)=★★★
昨年のコパ・アメリカでのチリ戦(0-4)に出場した際には良いパフォーマンスを発揮できず、その後は代表から遠ざかった。この試合に懸ける思いはスタートから感じたが、それが少し空回りさせてしまったのかもしれない。持ち味であるはずの最終ラインとのコンビネーション、ビルドアップ時にパスを引き出す角度やポジショニング、そして配球と久しぶりのA代表ですべてを求めるのは酷だが、プレーの選択肢が足りなかった部分は否めない。
■柴崎 岳(レガネス)=★★★
柴崎のレベルを考えれば、カメルーン戦でのゲームメークは満足できるものではなかった。中山とのボランチコンビから、もう少し前線の大迫や南野に効果的なくさびのパスが出れば、チームの攻撃はよりスムーズになったはずだ。一方の守備面では、前線の選手と連動しながらハードなプレスを見せていた。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。