「やっとレッズの9番に…」 菅澤優衣香、移籍4年目でたどり着いた“真のエース”の境地
理想のストライカー像は元フランス代表FWベンゼマ「周りを生かすのも上手」
ジェフL時代、菅澤は「常にゴールに向かうプレーがしたい」とウルグアイ代表FWルイス・スアレス(アトレティコ・マドリード)を参考にしてきた。キャリアと実績を重ねてきた現在、ゴールへの意欲は保ちつつ、“周りを生かす意識”も高まっているという。理想のストライカー像は、元フランス代表FWカリム・ベンゼマ(レアル・マドリード)だ。
「最近、ベンゼマ選手のプレー動画をよく見ます。自分で得点を決めるだけでなく、周りの選手を生かすのもすごく上手で、私が今やりたいプレーとイメージが一致しています。逆に、女子選手で“なってみたい”FWは、(INAC神戸レオネッサの)岩渕真奈選手。小柄でプレースタイル的にも私と真逆ですけど、あのキレのあるドリブルは自分にない部分なので、相手を華麗にかわしてシュートを決めてみたいなと思います(笑)」
浦和に移籍して4年目、菅澤にとってキャリア初となるリーグタイトル獲得が現実味を帯び始めてきた。チームを勝利に導く活躍により、周囲の目も“レッズレディースの菅澤優衣香”と見る向きが強まっていると肌で感じるという。
「移籍当初は、『ジェフレディースっぽい』とよく言われていました(苦笑)。だけど最近、『レッズレディースの9番の姿になった』と言ってもらえるようになったので、やっと“レッズレディースの9番”というイメージが染みついてきたのかなと思います。去年の優勝争いはあと一歩(2位)のところまで行って悔しい思いをした分、一番はチームの勝利と優勝を果たすこと。(日テレ・東京ヴェルディ)ベレーザと勝ち点こそ開いてますけど、全然油断できる状況ではないので、最後の最後までレッズレディースらしいサッカーを貫いて、最終的にリーグと得点王のタイトルを両方取れるように頑張りたいです」
10月5日に30歳を迎えた菅澤は、「何よりサッカーが今までの中で一番楽しくできていると感じます」と充実の表情を浮かべる。現在進行形で“最高の自分”を更新している彼女にリーグタイトルの勲章が加わった時、さらに逞しいストライカーへと成長を遂げるに違いない。
※取材はビデオ会議アプリ「Zoom」を使用して実施。
(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)