相手のカウンターに猛ダッシュで追いつき、相手FWトリンコンを弾き飛ばす猛チャージを披露

　ウォルバーハンプトンのFWアダマ・トラオレは、現地時間7日に行われたポルトガル代表との親善試合でスペイン代表デビューを飾った。カウンターを受けた際に見せた驚異の加速に、海外メディアも「必殺ダッシュ」と驚きを持って報じている。

　マリ出身の両親を持つバルセロナ生まれのトラオレは、8歳でバルサに入団し、2013年には17歳でトップチームデビュー。その2年後となる2015年にアストン・ビラへ移籍した。翌年にはミドルスブラへ渡り、現在はウォルバーハンプトンで所属3年目を迎えている。

　スペイン代表には昨年11月に初招集されるが、負傷により辞退。さらに今年9月にも招集されたが、新型コロナウイルスの陽性反応が出たために辞退となった。そのなかで、10月7日に行われたポルトガル戦（0-0）の後半17分にMFセルヒオ・ブスケッツ（バルセロナ）に代わってピッチに立ち、待望のA代表デビューを飾った。

　もともとトラオレは強靭な肉体とスピードが目を引く選手だが、話題を呼んでいるのが後半27分のプレーだ。

　スペインは敵陣でボールロストを犯し、カウンターを食らう。ポルトガルの20歳FWフランシスコ・トリンコン（バルセロナ）がドリブルで左サイドを駆け上がるなか、10メートル以上後方にいたトラオレがダッシュで猛追。瞬く間に追いつき、球際のデュエルで相手を弾き飛ばした。トラオレのファウルが宣告されたが、トリンコンが右腕を出して距離を取ろうとしたなか、ショルダーチャージで跳ね返し、ピッチに倒れたあとも何事もなかったように立ち上がっている。

　スペイン紙「マルカ」は、「アダマ・トラオレのデビュー：驚異の必殺ダッシュ、トリンコンをほぼ“破壊”したタックル」と見出しを打ち、トラオレの“パワー”に注目している。

「アダマ・トラオレのスペクタクルなデビュー。後半27分、スピードを生かしたダッシュでエンドラインまでえぐり後方へパス。まったくのフリーだったダニ・オルモがシュートを放ったがルイ・パトリシオの足がルイス・エンリケ監督のチームの得点を防いだ。そのうえ、バルセロナの選手を“捕獲”。ポルトガルがカウンターを仕掛けていた時、肩と肩の衝突でトリンコンをほぼ破壊した」

　スペイン代表戦で改めて、トラオレの名と“規格外の筋肉”が注目を集める結果となった。