森保監督、思い切った3バック変更で“悪夢”を払拭 磨きをかけ強力なオプションに「戦術に厚み」

カメルーン戦にスタメン出場となったDF冨安健洋【写真:ⓒJFA】
カメルーン戦にスタメン出場となったDF冨安健洋【写真:ⓒJFA】

前半でよみがえったアジアカップの苦い思い出も…「前向きにトライ」

 この後半頭からのシステム変更、“悪夢”を払拭する意味でも大きかった。昨年2月1日に行われたアジアカップ決勝カタール戦。森保ジャパン初めてのタイトル獲得がかかっていた一戦で1-3と完敗した。この日の前半と同じように相手の中盤3枚に守備がはまらず、ずるずると3失点。当時は90分の間で解決策を見出すことができなかった。

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 一瞬よぎったあの苦い思い出。それを、システムを変えることで選手にも分かりやすいメッセージとして伝わり、勝利にはつながらなかったものの、「修正の方向性が見つかった」という“手応え”として印象に残った。森保監督は狙いを明かしている。

「攻撃の部分ではウイングバックの選手がワイドのポジションを取ることによって、4バックの相手に対してより守備の対応を難しくさせてサイドを突破できるようにと考えた。かつ、ワイドがいることで1トップ2シャドーが中で攻撃の起点になり、仕掛けられると考えた。特にワイドから相手を崩すというところで、(伊東)純也の持っている攻撃力を生かして欲しいと思った。突破してのチャンスメークという点では狙いが出ていた。

 ただ得点には至らなかったし、もっとチャンスを作れる。優位性は選手の感覚として持ってもらいながら、もっとやれるようになってほしい。守備では相手のサイドの選手がかなり高い位置に来て守備の対応が難しいなか、3バックにして役割を発揮させることで上手く止められるようになった。選手たちも短い準備期間で4バックも3バックもやるのは簡単ではないと思うけど、戦術の幅を広げるために選手たちも前向きにトライしてくれた」

 アフリカの難敵とは言え、無得点に終わったことは課題として残るが、森保ジャパンの中軸を担う“オール海外組”で臨んだ一戦で45分間3バックを試せたことは大きな収穫。これからさらに磨きをかけ、厚みを出せば、強力な矛にも盾にもなることだろう。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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