森保監督、思い切った3バック変更で“悪夢”を払拭 磨きをかけ強力なオプションに「戦術に厚み」
森保ジャパンはカメルーン戦で後半頭から3バックにシステム変更 「修正できた」
森保一監督率いる日本代表は9日、オランダ・ユトレヒトで行われた国際親善試合カメルーン戦でスコアレスドローに終わった。前半は結成当初から成熟させてきたシステム「4-2-3-1」を採用し、FW大迫勇也(ブレーメン)、MF南野拓実(リバプール)、MF堂安律(ビーレフェルト)らが先発に名を連ねるも、なかなかボールを保持できず。後半頭から欧州組にとっては昨年6月以来となる「3-4-2-1」を起用して活性化を狙った。勝利にはつながらなかったが、思い切ったシステム変更には一筋の光が見えた。
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欧州組が招集されたのは11カ月ぶり、今年初めての日本代表戦。ブランクは覚悟の上だが、前半は厳しい戦いとなった。相手にボールを保持され、ビルドアップから仕掛けられる展開が続くなど、日本はなかなか思うような攻撃の形は作ることができなかった。相手の中盤3枚に上手く守備もハマらず。前線からプレスをかけてボールを奪い、強引にチャンスをうかがったが、ゴールは奪えなかった。大迫も「前半はなかなか守備でハマらず力を使ってしまった」と反省した。
そこで、後半からはシステムを「3-4-2-1」に変更。DF安西幸輝(ポルティモネンセ)に代えてMF伊東純也(ヘンク)を投入した。シャドーには南野と堂安、ウイングバックにMF原口元気(ハノーファー)と伊東が入る攻撃的な布陣。苦戦していた相手の中盤にもプレッシャーをかけて、ボランチからチャンスを作る形も増えた。この一戦で先発に抜擢されたMF中山雄太(ズウォレ)も「僕らも前にいきやすくなった」と手応えを得て、南野も「修正できた」とシステム変更によって推進力は生まれた。
もともと森保監督が”サンフレッチェ広島を指揮していた時に採用していたシステムで“代名詞”とも言える。日本代表では、3バック“解禁”となった昨年6月国際親善試合トリニダード・トバゴ戦(0-0)からエルサルバドル戦(2-0/6月)、コパ・アメリカ(南米選手権/6月)や12月のE-1選手権などで試してきた。それでも、コパ・アメリカでは東京五輪世代が中心で、E-1選手権は国内組のみ。6月には主将のDF吉田麻也(サンプドリア)が招集されていなかった。今後オプションとして使用する際に最終ラインを務める可能性が高いDF冨安健洋(ボローニャ)、DF酒井宏樹(マルセイユ)が揃ったのは初めてだ。
今回のオランダ遠征では前日練習から3バックも準備。森保監督は「試合の流れを見て、戦術に厚みを増やす意味」から試したという。