3人合わせて「111歳」 甲府のベテラン3バックが今でも輝ける理由とは

土屋も称賛する津田だけが持つある力

 津田は全体練習後、土屋と共に腹筋などを鍛える筋トレを欠かさない。芝生に寝転がり、10種類ほどのメニューをつなぎ合わせて一気にやり切る。キャンプインした時は若手も交じっていたが、気が付けば2人だけになった。土屋は「琢磨の継続する力は本当にすごい。今まで出会った人の中でも3本の指に入るぐらいの努力家」と称賛する。

 腹筋メニューは津田が考えている。「前、横、下と全ての腹筋を強化できるように作っています。試合で使える筋肉をつけている」。谷真一郎フィジカルコーチに相談しながら作ったメニューは20種類にもなる。谷コーチは「探求心と実践力は素晴らしい」と脱帽する。

 甲府には03年、東京都1部リーグ所属の帝京大からセレクションを受けて入団した。「エリートではなかったから、自分を客観的に見られるようになったと思います。どうすれば理想のサッカー選手に近づけるかを考えてきました」。07年限りで甲府を契約満了になり、翌08年に愛媛FCへ移籍。その半年後に甲府に復帰してから、弱点克服をより意識したという。

 例えば、昨シーズンからは試合3日前に谷コーチが考案した「タニラダー」を使い、ふくらはぎをパンパンに張らせるまで負荷をかけている。「13年、14年は、たまにしか試合に出てなかったから、後半のラストになると、足をつったりした。筋力、血流、緊張などいろんな原因があり、人それぞれ違う。次の出場チャンスに足をつらないようにするには全部やるしかないんです」。3日前の調整は、パフォーマンスの向上につながり、キレも増したという。

 津田は試合に出ていようが、出てなかろうが、常に全力で取り組む姿勢を変えない。「公式戦も練習試合も、一緒の気持ちでやってきたし、それは練習も同じです」。充実した日々を積み重ね、15年シーズン、3年ぶりにレギュラーをつかみ取った。

 

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