守護神の視点 最後尾に座る川島が若手選手の奮起を求める

ミスと成功を積み重ねた先に

 日本代表のGK川島永嗣は5日、0-2で敗れたウルグアイ戦に出場した新加入の若手選手らに強烈な自己表現を求めた。
 守護神は、アギーレジャパンの初陣を冷静に分析し、こう振り返った。
「ウルグアイは、去年ほどの勢いはなかったと思う。そういう意味では、自分たち自身も、もっとやるチャンスがあったと思う。ただ、そこを自分たち自身も限られた時間の中で、ハッキリやれないもどかしさがあった。それを含めても、もっともっと思い切りのよさがあってもよかったと思う」
 昨年8月に宮城スタジアムで激突した際、ウルグアイ代表に2-4で撃破された。今回ブラジルワールドカップでのかみつき事件で出場停止処分となっているバルセロナFWルイス•スアレスの不在などもあり、前回ほどの勢いはなかったという。
 そんな相手に、失うもののないはずの若手が存分に自己表現したかというと、最後尾からピッチを俯瞰する守護神にはそれが疑問に思えたというのだ。
「やっぱりチームとしてもそうですけど、個々のよさが出るのが一番だと思うので、次まだもう1試合あるんで、チームとしてもそうですし、1人1人新しく呼ばれた選手たちも含め、みんなそれぞれがイキイキするような試合ができたらいいかなと思います」
 守護神は、決定機を外したFW皆川佑介、失点に絡むミスを犯したDF坂井達弥ら抜てきされた若手には自分のストロングポイントをピッチ上で表現することを求めている。また、ブラジルW杯では、世界との差が開いてしまったと感じたという。
「差っていうのは積み重ねでしか埋められないと思うし、協会がこういう形で強い相手と設定してくれた。今後も強い相手とやれる機会をつくってくれている。本当に代表にとって大きな経験になると思う。過去の4年間の中でコンフェデも含めて強い相手とやってきた経験っていうのもひとつの経験。それが自分たちの中で積み重なってアイデンティティーになっていくと思うので。例えば1試合終わって全てが成長できるってわけではないと思うし、こういう試合で結果を追い求めて、自分たちがやるべきことを追い求めて1試合1試合積み重ねていくってこともより日本代表を強くする道じゃないのかなと思います」
 川島自身も相手の2点目では、セービングのミスもあった。ミスと成功を積み重ねなければ、本当の強さは手にできないと考えているようだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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