『わが家』からの家出!? 本田が本職のトップ下からウイングへの転身を語る

あえてサイドに留まる

 日本代表のMF本田圭佑は5日、アギーレジャパン初戦のウルグアイ戦で4-3-3システムの右FWを務め、トップ下からの脱却を始めた。これまでDNAを持っていると語るなど本職としての強いこだわりを持っていたトップ下への執着を脱ぎ捨て始めたことを明らかにした。
 札幌ドームで行われたアギーレジャパンには、ザックジャパンで存在したトップ下というポジションはもうなかった。本田は、4-3-3システムで昨季からACミランで起用されている右ウイングで先発した。
 発足間際の新生代表は、南米の強豪相手に0-2で敗れた。準備期間も短かったが、本田は自らを戒めた。ビルドアップに参加せず、ファイナルサードでのフィニッシャーとしての役割に重点を置く。
「監督からも準備の時間のなさって言うのは言われてました。その中で低い確率でもやったことができれば、おそらく満足するだろうということは言ってはいました。ただ、当然監督も試合前から、とはいえ勝ちたいということも、言っていましたし、試合をやる者として勝てないことが一番精神的にも厳しくなる。
 個人的には試合を決めたかったなというふうには思っていて、むしろチームのことは後ろの選手、中盤の選手に任そう、っていうくらいの気持ちで試合に入っていました。それは今、クラブでも同じような精神的な状態で試合に臨んでいるので。代表だからといって、例えば僕がゲームをつくるとか、ヘンにそういうところにスタイルを変えようという考えは、試合前は思ってなかったですし、試合中もボールにどんどんさわりにいきたいって気持ちを抑えながら前にいました」
 細貝萌、田中順也、森重真人という中盤の3枚は守備面の安定をもたらしたが、創造性には課題を残した。前線に気の利いたパスが届くことはほとんどなかったが、それでも本田はあえて顔を出さなかった。攻守のバランスを考え、サイドに留まり、折を見て中央に進出した。自らファウルを得て、直接FKを狙ったが、壁に当たるなど、目指した明確な結果は、出せなかった。
「僕自身も全然ダメでしたし、結果を残せなかったという意味では… ただ、やはりそれを求めていくことで自分は成長につながっていくと思うし、同時に中盤の選手、もしくは後ろの選手の成長にもやっぱりつながるんだと思う。お互いがお互いのパートをしっかり任せ合うことで、責任感というものが芽生え始めてくると思う。そこが自分の中では大きくワールドカップ前と今とでは変わり始めているところではあります。前向きに取り組んでますし、やはり結果が求められてくるとも思います」

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