久保は「忍耐強くなる必要がある」 現地番記者が推測「エメリが目指しているのは…」

ビジャレアルの番記者ホセ・ルイス・リサラガ氏【写真:高橋智行】
ビジャレアルの番記者ホセ・ルイス・リサラガ氏【写真:高橋智行】

ビジャレアル地元紙の番記者、久保が「再び控えになったのは驚き」

 試合翌日のスペイン紙「マルカ」、「AS」の久保評価はともに1点(最高3点)と高くなく、ビジャレアルの地元紙「エル・ペリオディコ・メディテラーネオ」は「プレーにあまり関与しなかったが、クオリティーの高さをいくつか示した」と評し、5点(最高10点)を付けた。この日、ビジャレアル選手の評価は全体的に高く、DFマリオ・ガスパール、ゴメス、G・モレノの3選手がチームトップの8点だった。

 同紙のスポーツ部チーフで、ビジャレアルを約20年追っているホセ・ルイス・リサラガ記者に試合後、久保の現状について聞くと、「弱冠19歳のタケは今、重要な瞬間を過ごしていると思う。ヨーロッパサッカーの2年目を過ごし、残留が目標だったマジョルカよりも上にいる、遥かに要求度の高いビジャレアルにいるのだからね」とポジティブに捉えていた。

 久保の理想的なポジションについては、「左利きだが両足を使えるので、どのポジションでも順応できると思う。ドリブルが非常に速く、試合の流れを読む力に優れ、1対1で試合のバランスを壊すことができるサイドアタッカーであり、また、もし中でプレーする場合でも素晴らしい視野の広さがある。そのため私は攻撃のすべてのポジションでプレーできると思っている。すでにスペイン初年度のマジョルカで示したように、4-2-3-1の2列目、さらには4-4-2のセカンドトップや両サイドハーフでプレーできるはずだ」と見解を述べた。

 そして、「エメリはタケがビジャレアルに来るように説得するため、どこでプレーすべきかを個人的に説明していると思う。エメリは今、タケに守備と攻撃のコンセプトを理解させることを目指しているところだ。そのため今は出場時間が少なくなっている。しかしUEFAヨーロッパリーグが開幕したら、おそらくタケはチームにとって重要な選手になるだろう」と推測した。

 アラベス戦でベンチスタートだったことについては、「私はアラベス戦で先発出場すると予想していたので、再び控えになったのは驚きだった。でも最初は20分くらいの出場時間で始めているが、徐々にチーム内で重要な役割を担っていくと思う」と期待を寄せた。

 久保がレギュラーを取るうえでの問題については、「例えばモイ・ゴメスのような選手が非常に素晴らしいパフォーマンスを見せていることだ」と、左サイドのポジション争いのライバルが絶好調であることを強調した。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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